薄桜鬼

□貴方に送る手紙
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愛してる・・・
貴方がこの世を去った今も、ずっと・・・。


ねぇ・・・覚えてますか?

貴方と初めて会った記念日。
貴方が私に『愛してる』と言ってくれた記念日。
貴方と誓いの杯を交わした記念日。
貴方と肌を合わせた記念日。
貴方との宝物を授かった記念日。



色あせない思い出。
微笑みと喜びに満ちた思い出。


私は・・・

貴方がこの世を去っても
すぐに追いかけて行けない身。

この世で受けた生を全うするには
時間がまだ、かかりそうなの。



だけど。


思い出だけで・・・生きていくのがこんなに辛いなんて、あの頃は思わなかった。







でも・・・・。


後悔なんてしてない。


貴方と添い遂げられて、幸せだったのだもの。

この身が朽ち果てるその時、
私は笑顔で貴方の胸に飛び込んでゆきたい。


その時は・・・きっと笑って迎えて下さいね?








貴方と見たあの桜の花を
私はあとどれ位見るのだろう。



あの時と同じ雪の華を
私はあとどれ位探せば、貴方に出会えるのだろう。







・・・・寒い・・・。




一人が辛い。
一人が寂しい。
一人が・・・・寒い。


貴方の腕の中で見ていたあの幸せな夢は、今はもう・・・見る事はできない。

だって・・・一人では、見れないのだから・・・。




だから・・・










抱きしめてください。




貴方の愛に飢えて、凍えて冷たくなった私の体を温めて下さい。








・・・・どうか・・・・。


・・・私を、連れてって・・・・。











いつまでも、愛してます・・・。














【fin】

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