夢戸棚【web拍手用小話】

□梅雨の晴れ間【エドワード王子】
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【梅雨の晴れ間】


・・・最近、雨が続いてる。

僕の心は、晴れやかなキミをいつも側で見ていたくて・・・。
何だか、心が重苦しいんだ。




そうだ。


少しの間だけど、時間もあることだしルイスにお願いして街に出てみようかな?



あの可愛らしいキミに会うために・・・。




ねぇ・・・。
キミはこの雨に何を思う?


僕の事?

もし・・・そうだったら嬉しいな。





手にしていた本を閉じる。



本より・・・キミがいい。



立ち上がろうとした瞬間、ルイスの声がした。


「エドワード様。お客様がお見えです。」



え・・・。
これから愛する彼女に会うつもりだったのに。


でも・・・仕方ない。



ルイスは先に応接室に向かう。



僕は・・・。


本当の自分を隠して、公務用の微笑を湛える。


会いたいのに会えない・・・。

心は苦しく、この空のように泣き出しそうなのだけど・・・僕は王子・・・だからね。



きっと、明日には・・・キミに会える。

そう・・・信じてる。




コツコツ・・・
廊下を歩く音が、なんだか寂しい。





応接室の扉を開けた。



そこで見たものは・・・・。







柔らかい笑顔と、心の暗闇を振り払うキミの声。


ああ・・・・。


キミがいれば、他に何もいらないんだ。
駆け寄ってきたキミを抱きしめる。



僕の心に住まうキミ。


ずっと、この時間が続きますように・・・。





愛してる。







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