短編
□拍手log
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『……………佐助』
「ん?どったの、威或ちゃん」
『…幽霊とか大丈夫?』
−−−全ての始まりは、遠くを見つめて言う俺の一言が始まりだった。
《怪談って苦手な人と一緒にやると、なんか楽しいよね》
『んじゃ、早速始めようか。…準備は良い?』
ユラユラと揺れる百本の蝋燭を目に、俺はこの部屋にいる全員に聞く。
幸「ほっ本当にやるのか!?こういう話をすると、得体の知らない者が集まるって政宗殿が先日言っておったぞ!!」
佐「なっなな何旦那〜。まっまままさかビビってんの〜?」
才「…そういう長こそ、声が震えていますよ」
冷静に才蔵が突っ込む。
どうやら才蔵は、こういうのは大丈夫らしい。
俺、幸村、佐助、才蔵の四人で百物語をすることになった。なったと言っても、俺が誘ったのだが←
翔狼達も誘ったが…「信玄が、今度こそ将棋で決着を着けると煩くてな…」と翔狼に断られた。
『…じゃ、まず俺からな。…あれは、まだ俺が武田に来る前の話だ』
−ある旅館に泊まっていた俺は、中々寝つけなくてな…外に出て涼もうと思い、起き上がろうとしたら…遠くの廊下の方から足音が聞こえて来たんだ。
ペタッ…ペタッてな。
だが、どうも人の足音じゃないんだ。
幸佐「「Σ(゚Д゚;)ビクッ」」
外に出て、確かめようと思ったんだが…体が全然動かないんだ。唯一動かせるのは、目だけ。
そして、此方に向かってくる、鳴り止まない足音。
『…その足音は、何処で止まったと思う?』
幸「…まっまままさか」
『幸村、その"まさか"だよ』
そう、その足音は俺がいた部屋の前で止まったんだ。
ガラッと障子戸が開き、ペタッ…ペタッと俺に近づいてきた。
俺は、目だけを動かして迫りくる足音の正体を見た。
其処にいたのはさ、片方の目を飛び出させ、長い髪を乱したみすぼらしい女だったんだ。
幸佐「「ギャアァアァア!!」」
才「…幸村様、長。お静かにして下さい!!今、良いところではないですか!!」
佐「才蔵!!なんでそんな平気なんだよ!!もう俺様無理!!!」
才「平気だから平気なのです。…長、そんなに怖がっていては、我が忍隊の者共に馬鹿にされますよ?」
佐「……………それは嫌だ」
才「でしたら、此処は我慢を」
幸「…もう…俺は耐えきれ…ん…」
バタッ
『ギャアァアァア!!幸村が倒れたァァァ!!!』
百物語は大人数で
(まだ俺…オチを言ってないんだけど…)
(…どんなオチなの?)
(ん?実は旅館の女将が俺を驚かそうと、仕組んでたことだったんだよ)
(…それを聞いて安心した)
(まぁ、翌日の朝にその事を聞いたら、「私はその様なことしてませんが」って言われたんだけどな)
(……………えっ?)
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