ORIGINAL BOOK

□初コラボ作品!shun様「陰陽少女」**素敵な日曜日**
2ページ/9ページ



久しぶりに晴れた日曜の午後。
珍しく携帯も鳴らず
大竹錬磨は何もない普通の一日を
過ごそうとしていた。
日本に来てからあれやこれやと
事件や厄介事が続き…
「厄介事を連れてくる奴がいるからな…」
麻衣の姿が浮かんだ。



久しぶりに買い物をして
自宅に帰るために錬磨は歩いている。
どこからかにぎやかな子供の声が聞こえる。
声が聞こえるのは街中の中心にある
大きなふれあい公園からだった。公園と言っても規模は大きい。

錬磨は公園に足を踏み入れる。
錬磨の自宅のマンションはこの公園に
沿って歩いて反対側。歩いて約30分。
だけどこの公園を通り抜けると
15分着く。
いわゆる近道だ。


いつもなら近道しないのだが
今日は久々に買い物に行って
たくさん買い込んでしまい荷物が重いため
急きょ近道を選んだ。


さすがは日曜の午後。
子連れの家族がたくさん見える。
子供の透き通るような笑い声が
公園中から聞こえてくる。
この公園の中央には大きな池と
噴水があり、そこでは優雅にカモ達が
泳いでいる。


絵に書いたような幸せな風景。
少し気分も晴れやかだ。
仕事柄や生い立ち柄
人の裏を見る事が多い錬磨には
このような幸せな雰囲気は以前までは
耐え難く、こうゆう景色を避けながら
生活していたが日本に来て
少し変わったようだ。



公園には散歩コースがあり
老夫婦が仲むつまじく散歩していたりする。
錬磨はそこを歩く。


日の光りが池に反射してきらきら。
鳥のさえずりが風にのってどこまでも響く。
周りもにぎやかで…



「…?!」


錬磨は考えるのを止めた。
ふと気が付くとさっきまでのにぎやかな
雰囲気がぱったりと消えた。
鳥のさえずりも爽やかな風も
聞こえるのは噴水の水の音だけ。
まわりを見渡して見ても
わかった様子はないが何か変だ。
周りに警戒しながら歩みを進める。
やけに自分の足が砂利を踏みしめる
音だけが響くような気がした。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ