ORIGINAL BOOK
□Lie face --嘘顔--
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「まいーっ!!!」
河村 真衣<かわむら まい>が
いつもの様に颯爽と自転車で
大学に登校していると
自分を呼ぶ声に自転車を止める。
「あっ、美里〜!!おはよー」
自転車から手を振る真衣。
そして、少し遠くに
真衣の友達の美里が
必死に走って来るのが見える。
「ハァ…ハァ…。疲れ…た…」
やっと追いついた美里は
肩で息をしている。
「美里は、もっと体力つけなきゃ!!」
「ハァ…ハァ…。うちは真衣と違って…小学5年から空手やってませんからねぇー」
そういって舌を出す美里。
「あんまり関係ないかなっ」
それを、さらりとかわす真衣。
「てか、今日いつもより遅いんじゃない?朝練無いの?」
「土日大会だったからさ!朝練ないんだ」
「へぇ〜。お疲れ様です…。で!?結果は?」
楽しそうに聞く美里。
「もちろん!!優勝です!!」
胸をはる真衣。
「ここら辺じゃ、真衣にかなう奴はもぅ居ないな…。あんたのその細身から力がよく出るよね…。ねぇ、後ろ乗っていい??」
自転車の後ろに足を揃えて乗る美里。
「いいよ!!でも、安全は保証しないからねっ//」
「えっちょっ///待ッ…」
美里の制止も聞かず
自転車をこぎだした真衣。