ORIGINAL BOOK

□Choosey Lover
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「失礼します。」


燕尾服を着てしっかりネクタイを締めた青年がノックをし入ってきた。


「中岡君、待ってたよ」



「何でしょうか?」


真っ赤なカーペットにきらびやかな装飾のついた家具が並ぶ部屋。

その1番奥にある机の座る中年の男の前に青年は姿勢よく立つ。



「ははっ。そんなにかしこまらなくていいよ」


「お構い無く。理事長ご用件は?」


淡々とした様子で話を進める青年。



「厳しいなぁ。まぁいい。生徒会長の君に提案なんだが」



理事長と呼ばれた男は机から身を乗り出す。



「続けて下さい」



「執事要項124は?」


今まで表情をぴくりとも変えなかった青年が眉を少し動かした。



「第124 執事はいかなるお嬢様にも誠意を尽くしお付きする」



「さすが、中岡君だな。全ての覚えてるのか?」



「はい」



表情が早く話をすすめろと表している。中岡。



「分かったよ。コホンッ。執事要項124にともなって、執事のレベル向上のため特別プログラムを開始する。」



「はい。仰せのままに」

胸に手をあてて静かに腰をおる。そして、颯爽と中岡は理事長室を後にした。
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