雑多

□怪物
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骨の震えが止まらない
思うように口が動かない
思ったことが話せない
何を思ったかわからない

例えようのない不安だけが襲い
何に恐れているかもはっきりしないまま
そうしてやっと出てきた言葉は使い回し繰り返し
逃走本能と腹痛の混同

怪物は惨めな奴隷に腹を立てる
思い通りに動かないから毛を逆立てる
意思を汲み取れないから喚き立てる

怪物は知らない
奴隷のそれは笑っていたんじゃない
骨を震わせて呻いていた
哭くに泣けず呻いていた

奴隷に怪物は重すぎた
離れていても震えっぱなし
不安っぱなし
ぱなしのまま終了、終了、
やっと終わったね、お疲れ様です。

我々は怪物に従わされた同士でした
ある奴隷は怪物が三匹
一度に三つの咆哮を浴びていました
ある奴隷は今なお戦っている
私は予備軍
もっともっとあの人の味方であるべきでした

次は母か、私の番か。

      



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