雑多

□衰退
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スーパーのコピー機の前にはお婆さんがいて
なんだかよくわからない古い紙をコピーしていて
並ぶの気まずくてほっつき歩いたわけだ。

潰れたコンビニの隣には泥まみれ草まみれの車。
覚えてないくらいそこにいる
置き去られたのか、そいつはもしや。

公園は静かで誰もいない
小さな頃時々やってきては
遊具乗り回し
座ってゲームしたり
今はもうそんなことしなくなったが

ブランコが好きだった
足を揺らせば振り回してくれる
ブランコが好きだった
風と共に突き放してくれる
ブランコが好きだった

立つことも高くすることもして。
空を見上げれば
どこまでも飛べる気がした
山羊と戯れるあの山の少女のように
なれた気がした。

あの頃を懐かしんで
飛んでみても
今の私は臆病で
余計な傷を負ってしまう

大地を踏みしめることはできない、かった

やけに寂れたあいつの姿が目に浮かんだ
早く、コピーして帰ろう。

End








成長の半分は衰退の意味を持つのだと思う。

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