雑多
□線
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学校が離れた友達がLINEというのにハマッたと聞いた。
私はlineというのをやっていない。
持っている端末がそれをできないよう制限されているからだ。
私はそれでいいと思っている。
今のこの状況にとても満足している。
ただ、彼女がLINEをやっているとは思わなかったのだ。
私の記憶の中の彼女には、あまりにも似合わないことだった。
私は彼女が自分の知らない別の友人とLINEをやっていること、そして何より彼女が変わってしまったことにショックを受けた。
以来、私は彼女にメールを送ることができないでいた。
自分と彼女の間に、一本の線が引かれた気がして。
踏み込んじゃいけない気がして。
彼女がLINEを始めた理由を聞いたのはそのずっとのちの話。
人付き合いのために仕方なく。
それがきっかけらしい。
最初は抵抗があったと教えてくれたその人は言った。
しかし、今でも私はメールを送ることができないでいる。
疎外感からではない。
私は自分の身勝手さを恥じた。
例え彼女が今それに対してどう感じているかなんていい。
私も彼女も人付き合いは得意ではなく、それを挽回するために努力するのは当たり前じゃないか。
私は何もせず、ただ彼女が自分の同類でなくなったと勝手に決めつけて寂しさに酔っていただけではないか。
今も必死な彼女のがんばりを、勝手な自分がメールを送ってしまえば、それはただの妨害になってしまうのだろう。
そんな気がしてしまうのだ。
End