雑多

□そのコのこと。
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最近になってそのコの傷の一部を見た。


親友というにはちがう壁みたいのがあって、その辺の友達と呼ぶような関係とはまたちがう妙な距離だと思う。近いか遠いかも、正直わからない。
昔ギャグ漫画で見た遠近法を使った影絵クイズに似てる気がする。

親友の親友。うん、たぶんそれだ。

年下のそのコは来年度、私と親友の通う学校に入学してくる。
その事は前から聞かされていたから知ってる。

そっか、年齢も壁の1つだったかもしれない。

その彼女が学校の見学に来た際に、初めてメアド交換をして、それから再びそのコに親近感を覚えたのか、彼女のブログを読むようになった。

そこにあのコに何があったかは書かれていない。
当たり前か、個人情報に近いものをくわしく書くワケがない。

でも、そのコの心情が凍りつくほどにつらつらと書きとめてある。そこで初めて私は知ったのだ。ときどき見せる彼女の不審な行動。
あのコはそのたびにあんな風に考えていたのだろうか。

私はケータイを閉じたあと、しばらく目の前の課題ができなかった。
この感情を気分が悪いとは言いたくない。だがいい気分とはとても言いにくい。


もうすぐ、そのコは試験を受けに学校にやってくるらしい。
親友は彼女に付き添いもかねて道案内をするけど、私は行かない。

この期に及んで自分のしたいことが優先なんだ。笑っちゃうよね。

End

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