ノベル
□強くなりたいと思うのは
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アクゼリュス崩落後ユリアシティ(タルタロス降りた後、街に入ってません)
今回厳しめ要素はありません
PTが全員ルークを置いて街に行ったらアッシュが登場しました
罵詈雑言とか殺すとか連呼してます注意!
主体→病んでるアッシュ&洗脳されるルーク
「お前は俺を殺すために生まれたんだよ」
生きることに絶望するであろうレプリカに刷り込んだ言葉。嗚呼可笑しくて笑いが止まらない!
「俺を、殺せ。それがお前の存在理由だ」
ゆっくりと言い聞かせれば目の奥に広がった闇に光が灯る。名など関係ない。レプリカであるからこそお前には価値がある。
「なあレプリカ?」
それからルークはアッシュが言ったことを忠実に実行した。つまり腰にある剣を抜きアッシュ目掛けて振り上げた。しかしそれはいともたやすく弾かれ床を転がっていく。
「誰が簡単に殺されてやるものか。お前が弱すぎるから俺を殺せない。本当に役立たずの劣化レプリカだな!」
それを聞いたルークは考えた。アッシュを殺さなければいけない。それが自分の存在理由。でも今のままでは弱くて殺せない。ならばどうすれば良いのか?
「アッシュ、俺は強くなってみせる。そうすればアッシュを殺せる。アッシュを殺したら俺、偉い?」
「ああ、褒めてやろう。…殺せたら、だがな」
「でもどうして俺はアッシュを殺すために生まれたんだ?」
「俺を殺せたら教えてやるよ」
「アッシュはそればっかだな。つまんねぇ」
ルークは先程弾かれた得物を取りに行き腰へ戻す。
「だが忘れるな。あまり遊んでばかりいるとそのうち飽きて死ぬぞ」
「俺がアッシュを殺せないってことか? それは困る!」
「だったら飽きて死ぬ前に殺すんだな、この俺を」
自分を殺せというアッシュはとても楽しそうだったのでルークは頷く。
「俺、みんなについて行って強くなったらアッシュを殺しに行くから」
「…待っていてやる。お前が望む限り俺はお前以外の全てから死を拒絶しよう」
「俺が望む限り?」
「そうだ」
「望んでも良いのか?」
「要らないのならば捨てろ」
暗い光は段々と強さを増して行く。十分な光が満ちた時、そこに在るものは、
「……要る。望む。俺が、アッシュを、殺す…!」
幼いが故に真っ直ぐな殺意。
「俺を殺せたらお前の勝ち。…出来ればの話だがな」
「んなこと言ってる奴に限ってあんまたいしたことないんだぜ」
「誰に向かって言ってやがる。レプリカ如きが図々しい」
「はっ、そのレプリカ如きに殺される被験者がよく言う!」
「俺は今すぐここで死んだって構わないんだがな」
アッシュが剣を抜き迷い無く自らの首元へ振ると鈍い音が響いた。
「…笑えねぇ冗談はやめろ」
アッシュの首に刃が刺さる寸前で阻止したルークは冷や汗をかく。これはルークが止めなければ確実に動脈を裂いていたのだろう。しかしアッシュは何事もなかったかのように踵を返した。
「用は済んだ。俺は行くぞ」
「アッシュ、俺は確かに望んだ。お前は俺が殺すからな」
ルークの台詞を聞いたアッシュは満足そうに笑い、瞬く間に姿を消した。
「強くなって、アッシュを、殺す…」
呟きながら街の中へ進むルークは、今までにないくらい生き生きとしていた。
そして強くなりたいと言うルークを同行者たちはなんの疑問もなく受け入れていった。
理由も目的も聞かずに…。
強くなりたいと思うのは
(君を殺す為に必要だから!)
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ルークは生きる目標を見つけた!