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□優先順位
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突発思いつき小話
場面はレムの塔で障気中和
アシュルク要素あり
世界滅亡ルート
ユリアが悪者扱い→やんわりヴァン、ティアに厳しめ…というかPT全体やんわり厳しめ
主体→神様っぽい感じのアッシュ
やめて、口ではそんなことを言いながら身体はルークを止めようとはしない。まるでルークを止めることこそが罪だと言わんばかりに。
本当に止めたいのならば、ここに連れて来るはずがない。
いよいよルークが超振動を使う、その時になりアッシュが冷めた声音で呟いた。
「それがテメェらの選択か」
言うが早いかアッシュは押さえていたジェイドを弾き飛ばし、ルークにアワーグラスを投げ付けた。ルークの時が止まると右手を天に翳し、超振動を放つ。
一瞬にして消えた障気に呆然と立ち竦む一行。
「やはり魔女ユリアのスコアには逆らえねぇか。愚かだな」
明滅するアッシュの身体が既に限界を訴えていたが、アッシュはルークの元へ歩き出す。
「テメェらは選択を間違えた。それだけ肝に命じておけ」
「…どういうこと? 私たちは何も間違ってなんかいないわ!」
「間違いにも気づけねぇのか。流石、魔女ユリアの血を継ぐ愚者だ」
アワーグラスの効果が切れたルークはアッシュの言葉を理解しているのだろう。ローレライの剣を抱えたまま涙を零し、膝が床に着く。
「…アッシュ」
「お前も来い。どの道もう長くないだろう」
頷き、手を伸ばすルークを抱えるアッシュ。
…ルークはここに来る前から限界がきていた。度重なる戦闘、それに伴う超振動の多用。…既に乖離が始まった身体で恐怖に怯えながら今まで生きていた。
パーティの中でそれに気づけた者は一人もいない。
「これで漸く魔女ユリアの契約は破棄された」
「ユリアの契約ですって…?」
「民が始祖を崇め奉る限り、子孫はすべての民を平等に守るという契約だ。しかし契約は反故になった。ある子孫は今生きる民を見捨て、ある子孫はレプリカという民を見捨てた…!」
契約の対価として与えられたローレライの剣が、フォニムに分解され消えて行く。
「もういっぺん言ってやる。テメェらは選択を間違えたんだよ!」
音もなくアッシュとルークが透けて行き、間もなくレムの塔には静寂が訪れる。
残された者たちはただ呆然と立ち尽くし、アッシュの言ったことを理解するまでかなりの時間を要することになり。
気がつけば、なにもかもが遅すぎた。
慈悲だろうアッシュのヒントに気づけないまま事態は収拾がつかなくなり、結果、世界は滅ぶ道を辿った。
消えていく世界を眺めながらあの場にいた誰かがこう思っていただろう。
聖なる焔の光が鉱山の街で消滅した。
だから世界は救われなかったのだ、と。
優先順位
(守りたいものは何だった?)
::
この後、ヴァンは計画が破綻したことを知らずエルドランド浮上、しかしアッシュもルークもいないので体内のローレライは消えないしレプリカは乖離するしでグダグダ。
かくいう地上も障気が無くなったけどエルドランドからレプリカ溢れまくって大混乱。レプリカ大地のせいで降下したのに消滅するから意味がない。レプリカ大地作るけど乖離する→世界が滅ぶ。
あのイベントで何故ヴァン側がアッシュ(若しくはルーク)を確保しに来なかったのか全く以って疑問です。二人とも死んだら本末転倒だろうに。
ちなみにアッシュは「ユリアのスコアを捨てて頑張ろう」みたいな雰囲気があれば救う予定でした。
ユリアを魔女と呼ぶのもローレライを半ば騙すようにして契約したからです(民を犠牲にして…なんて事態は滅多にありませんからね)。