ノベル
□スコアが大ッ嫌いなワケは
1ページ/1ページ
病みアッシュ&洗脳ルーク第三弾
イオン&同行者厳しめ
障気中和云々のところ
ルークが大使寄りの性格になりました
罵詈雑言とか普通に出てきます注意!
主体→病みアシュ洗脳ルク
聖なる焔の光は汚れし気の浄化を求め王国の音機関都市へと向かう、そこで咎とされた力を用い救いの術を見出だすだろう
「選ばせてやろう。生きるか、死ぬか」
主語を抜いた台詞に愕然とする。脳が理解を拒み呼吸が狂う。
「お前が、言ったんだ。俺が望む限り、俺以外から死を拒むって!」
「だから選ばせてやると言っている」
空を見上げれば毒色が広がり昼間でも薄暗く気分は良くない。
「奴らは間違いなく俺達に押し付けてくるだろう。大層どうでもいい役目を、な」
身近にある便利な道具を見逃すほど人間はバカじゃない。どんな理由を盾にするかは知らないが、恐らく役目を果たさなければならない状況に持ち込まれるのは目に見えている。
「俺がアッシュを殺す。死ぬなんて許さない」
「ならばテメェが殺される」
逃げ出したところで追われるのは必然。ならば大人しくしていても結果は変わらない。
「レプリカ如きが死んだとして俺は痛くも痒くも無い。が、退屈なのは不愉快だ」
「俺が俺の価値を証明できずに死ぬなんて耐えられねぇ。そんなん無駄死にじゃねーか!」
怒りに任せバリバリと頭を掻きむしるルークは何事か叫んでいたが、アッシュは無視を決め込み窓の下を眺めた。
「…つーかアッシュが俺に殺されてくれりゃ丸く収まるんじゃねぇ?」
ルークの考えたことは至極単純で、ルークがアッシュを殺して自分の価値を証明し、その後はどうなろうが知ったことではない世界にサヨナラをする。世界に未練などないルークは名案、と言わんばかりに目が輝いた。
「貧弱劣化レプリカには無理だな」
アッシュの即答に隠しもせずルークが舌を打ち、また何事か叫んだ。
「んなことになんならイオンの死なんて見届けなきゃ良かった!!」
事の発端はあの忌ま忌ましいスコアだ。イオンは何を考えてあんなスコアを詠んだのだろうか? 遺言のように託されたおかげでこちらとしてはかなりよろしくない方向へ事が進みつつある。
「救いの術? バカじゃねぇ? 誰が救われるんだっつーの!」
「そろそろ選べ、屑」
アッシュの屑発言にイラッとしながらもルークはキッパリと言い切った。
「俺はアッシュが殺せないなら障気中和なんて御免だ!」
「最初からそう言え、なあレプリカ?」
不敵に笑ったアッシュは優雅に窓を開け超振動を放つ。
見る見るうちに毒色の空は青みを取り戻し、陽の光が降り注いだ。
「アッシュ、お前…!」
「言っただろう。お前が望む限りお前以外の全てから死を拒絶してみせると」
窓を明けっ放しにしたままアッシュは椅子に腰掛ける。
「やらねぇからといって不可能とは限らん。その劣化した脳に刻んでおくんだな、屑」
いともたやすく世界の命運を変えたアッシュは毒入りの茶に手を伸ばす。
「…屑って言うな、カス!」
騙されたとばかりにむくれて向かいの席に着くルーク。
「言うようになったな、屑」
屑、を強調されて言われた台詞にルークは隠し持っていたダガーを投げ付ける。避けられたダガーは床に刺さり、無意味に穴だらけになっていく。
「今度は硫酸混ぜてやるからな!!」
「効かんとわかっていてか? とうとう記憶まで劣化したか屑」
ルークが反論しようとしたその時、バタン! と派手な音を立てて部屋のドアが開く。
「迎えだな。さっさと帰れ」
ドアの方向を見もせずにヒラヒラと手を振り興味が失せたと席を立つアッシュ。
ルークは飛び込んできた同行者たちに舌打ちしたいのを我慢してアッシュに背を向ける。
同行者たちは突然消えた障気について何か知っているのだろうとルークに詰め寄ったが、ルークは知らない、の一点張りで真実を話すことはなかった。
スコアが大ッ嫌いなワケは
(君の存在を否定するから!)
::
ぶっちゃけあのスコアはどこから沸いたのか気になるところ。プラネットスコアではないらしい。と、私は解釈してますが…。
140308 加筆修正