ブラックノベル
□貴方に笑ってほしいから
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ガイ厳しめ
ついでにヴァンにも厳しい
アッシュが主人でルークが従者
ルークがいろんな意味でまともじゃありません
そしてアッシュが出てこない
主体→まともじゃないルーク
「お前は、イラナイ」
あの人は褒めてくれるだろうか? それとも勝手な事だと怒るだろうか。でも最後の我が儘だからって許してくれたら、嬉しい。
貴方に笑ってほしいから
ガイは考えていた。何故こうなった? と。目の前にいるのはルーク。ならばイラナイと言い放ち自分へ剣を構えているのも当然ルークしか有り得ない。
「お前はイラナイ。最初から信用してない。だから消す!」
「ま、待てよルーク! 俺が何を…」
ガイを見るルークの目は冷え切っていた。
「本当に心当たりが無いのか。救いようのない馬鹿だなガイラルディア」
「ルーク…?」
戸惑うばかりのガイにルークは手の平を翳し、指折りながら説明した。
「一つ、身の上を偽った復讐者。二つ、ヴァンと繋がる嘘つき。三つ、公私を混同する使用人。四つ、我が主を愚弄する愚者」
「違う! 俺は、」
「マルクトから許可は出てる。ガルディオスはもうイラナイみたいだぞ、ガイラルディア?」
ルークはマルクトから送られた書状を取り出し広げて見せる。そこにはガルディオスの血は既に断絶している旨の文章と皇帝のサインがきっちり記されていた。
「お前はイラナイから消す。理解できたか?」
「で、でもお前だって俺のこと、ただの使用人だと思ってないって言ってたじゃないか!」
「それは"ただの使用人だと思えないほど無能な阿呆だと思ってる"って意味だ。勝手に良い意味で取ったのはガイだろ?」
それに、フェンデと違いガルディオスの血に特別なモノは何一つ含まれていない。アルバート流シグムント派の剣術はガルディオス以外の誰にだって継承できるモノであり、遺伝子情報に特別な何かがあるという話は全くない。故に血を残す意味もないということで。
「お前なんて誰も必要としてないんだ。思い残すことが無くて、よかったな!」
「ヴァンは、ヴァンはどうしたんだ!」
ガイはパニックになり思わず同志の名を叫ぶ。しかしルークは鼻で笑い剣を構え直した。
「とっくに死んだよそんな屑。血とかレプリカ情報とか、使えそうなものを全部抜かれてからだけどな」
「死ん…だ?」
「ああ。死んだぞ。ペールも、ヴァンも、…ティアはまだだけど時間の問題じゃないか?」
言葉もなく崩れたガイ。その不様な姿にルークは追い撃ちをかける。
「ガイラルディアはイラナイんだってさ!」
ケタけたケタ。
奇妙に笑い続けるルークがガイをどうしたのか?
その後を知る者はいない。
貴方に笑ってほしいから、
(不穏分子は排除します)
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