キリリク

□23000
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◆23000番キリリク作品

リクエストは…すみません特殊過ぎて要約できませんでした、下記を参考にしてください。

というわけで、

全体的に厳しめ
架空の自治区としてナム孤島が登場
アッシュがノワールの養子
ナタリアが特に厳しい

主体→ノワール







苦労して見つけたのはほんの些細な綻び。しかし彼にとってそれは僥倖だった。






ある天気の良いスコアが詠まれた日の午後。フードを深く被った男は導師イオンを見つけ、挨拶をするとその細い腕に視線を向けて首を傾げた。

「導師、昨晩の傷はどうされたのですか? 結構な傷だったと聞いております。あの場にいたのが私とグランツ将軍のみだったもので直ぐに治療ができず…心配しておりました」

「あれからすぐに腕の良いヒーラーを呼んで治しましたよ。私も病弱なので、専属のヒーラーがいますから」

一瞬だけ表情が変わった導師の台詞に、男の口許が吊り上がる。

「あなたは本当に導師イオンなのですか?」

「…どういう意味でしょうか」

慎重に選ばれたその台詞も、表情も。全てが男の予想通り。

「導師は昨晩、怪我などされていませんし…それに私は初対面でしょう?」

それまで微笑んでいた導師の顔つきが変わる。幼い子供とは思えぬ凶悪な、憎しみに満ちた表情へ。

「お前は何が知りたい」

声音まで変え、警戒している導師にほくそ笑む男。

「真実を」

男が何を言っているのかわからない導師は眉根を寄せた。

「この狂い始め腐り切った世界に相応しい、真実が知りたいのです。導師」

知り得たものがどんなに残酷だろうと、非情だろうと構わない。それが「真」であるならば受け入れて見せよう。

「…面白いな、お前。気に入ったよ。僕の部下になる気はあるかい?」

「もちろんです」

フードを下した男の容姿に目を見開き、名を聞いてさらに驚いた導師は、嗤った。


ゆっくりと確実に死んでいくだろう世界を。偽りだらけに溺れ生きていく人々を。

そして何より、驕った古代の子孫たちを。

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