キリリク

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9999キリリク作品

リクエストは「PT厳しめ(−アニス)、アシュ真ナタでキムラスカ常識化(−ナタリア、ガイ)、アリエッタとシンク仲間、ルークはアッシュの実弟」

というわけで上記に基づき

真ナタが出てきます(今回ラジニカと名乗ります)
兄アッシュと弟ルークでキムラスカ常識化
アニス捏造で常識化、というか勢い余って黒化
PT(特にティア、ガイ、ナタリア)+イオン他に厳しめ
シンク、アリエッタ仲間で贔屓
まとまらなくて長めになりましたorz
場所はデオ峠














(あー…俺、そろそろ限界かもしれない。どうしよう)
(えっルーク様もですか? アタシもで〜す!)

黙々と魔物を殺しながら目で語る二人はマジだった。

ちなみに他のパーティ、こと襲撃犯は後ろでのんびり歌ってるし(もう終わるっつーの)、ネクロマンサーも同様。自称ルーク専属の使用人は荷物が邪魔で戦えないとほざき(何のために付いてきたんだコイツ?)、身分を軽んじた王女様は後方支援という名の邪魔に精を出し(何度トドメを刺されそうになったことか!)、本来であれば有り得ない、親善大使自らが前線で剣を振るっている。戦闘に参加するどころか一般人より体力が劣る導師様はホーリーボトルと一緒に使用人改め荷物番がお守りに付いていた(このフォーメーションを考えたのは無能軍人二人。賛同したのは金髪二人。ルークは一切許可した覚えがない)。

目で語り合っている二人の心は一つだ。ああ、コイツらブッ飛ばしてぇ。

(そろそろ手元が狂っちゃいますよぉ、ルーク様ぁ)
(我慢しろ、アニス。…あと少しだろ?)

剣を戻しながらルークが語った。ルークのあと少し、は、二人の中でもはや呪文のように繰り返されている。それはアニスもわかっていて、素直に(不満を漏らしながら)トクナガを縮めた。

「ルーク! もっと効率よく動けないの!?」

「全く…これだからお坊ちゃんは…」

「そうですわよルーク! 私が補助する前に魔物へ向かって行くなんて…!」

「はは…悪いなナタリア、俺が出られれば良かったんだが…」

「ガイのせいではありませんわ!」

魔物との戦闘終了後、毎度これが繰り返される。いい加減、相手にするのも聞くことにも飽きてルークは完全に無視して先へ進んでいく。すると後ろがギャーギャーと騒ぎ出すのだが、ルークの知ったことではない。

「止まれ」

デオ峠の半ばほどまで進んでいくと物々しい雰囲気の中、兵士に止められた。

「ここから先は関係者以外の立ち入りを禁止している」

ルークは佇まいを直すと兵士に見えるよう旅券と書状を掲げた。

「俺はキムラスカ・ランバルディア王国、インゴベルト6世陛下の名代、ルーク・フォン・ファブレだ。親善大使の命を受けアクゼリュスを慰問するため、通行を許可していただきたい」

ルークが掲げた旅券と書状、そしてルークの容姿を確認した兵士は一度礼をして向き直る。

「先程は失礼しました、ルーク様。報告は来ています。どうぞこちらへ」

兵士に促されるまま進もうとしたルークへ、不愉快な声がかかる。

「待ちなさい! 私たちも一緒よ!!」

通しなさいと喚く女に顔をしかめた兵士がルークに問う。

「…お連れの方でしょうか?」

「違う」

「なんですって!? ルーク、貴方…!」

即答したルークを責めようとティアが怒り出した刹那、上空から機械音と巨大な影が落ちる。

「あれは…アルビオール?!」

「さすが、よく知ってるな偏執狂。ルーク、お前も随分シケた面じゃねーか」

「兄貴!? どうやってここに…」

いきなり現れたアッシュはルークの疑問に上を指すことで答え、アニスに向かって封筒を差し出す。

「良い知らせだ。感謝しろ」

良い知らせ、で大体の察しがついたアニスは勢いよく封を開けた。そこには期待通りのことが記されており、思わずガッツポーズを決める。

「さっすが詠師トリトハイム! 話がわかるぅ!」

満面の笑みで書面を広げて見せるアニス。それは教団並びに騎士団からの退団通知。

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