キリリク

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8888番キリリク作品

リクエストは「アッシュレプリカとアッシュ入れ替え、六神将、1〜6音素集合体はアッシュの味方、同行者+ルーク・イオン、ヴァン、三国厳しめ」


というわけで上記に基づき

PT、ルーク厳しめ
ダアト、マルクト、キムラスカ…というか世界に厳しい
ヴァンは死亡(出てこないけど!)
被験者イオン、六神将は仲間
アッシュレプリカの名前はリージェ。小話ではそのままアッシュ表記(最後だけリージェと表記、わかりにくくてすみません…)


















始まりは、何の気ない一言。

「ねぇヴァン。僕、レプリカが…刷り込みっていうの? ちゃんとできるか確かめておきたいんだけど」



終わりは、さり気ない一言。

「これ、僕が処理しておくよ。せっかくだから遊びたいし。良いだろう? ヴァン・グランツ主席総長」



彼は知っていた。幼子が神の素質を持つと。赤い子供と一緒に、大事に育てた幼子は、やがて人類を試すことを思いつく。











世界中に瘴気が溢れた。

微弱な毒はゆっくりと、確実に人々を苦しめていく。

傲慢な人々は無償の救いを求めた。

善良な民に与えられるべき、救いを。








「ローレライの剣、一万人のセブンスフォニマー、そして安定した超振動。この三つが揃えば瘴気の中和は可能です」

青い軍服がそうのたまう。ダアトの礼拝堂に集まった三国首脳は頭を抱えた。

「しかし一万のセブンスフォニマーを招集するだけでも時間がかかる。その上ローレライの剣など…」

ローレライの剣は伝説の中に登場する、いわば架空の剣に過ぎない。創世歴に使ったという情報があるだけで、現物が存在するかどうかも怪しい代物だ。

「俺たちがやってもいいぜ、それ」

「…アッシュ!?」

突然話に割り込んできたアッシュ率いる一同。

「障気の中和だろう? 方法なら俺たちも知っている。条件が揃えば今すぐにでも実行できるぞ」

アッシュの台詞に驚きと期待の篭った視線が向けられる。

「それは…それは本当なのですか、アッシュ!」

「条件が揃えば、の話だ」

「その条件とは?」

ジェイドの問いにアッシュがニタリと笑う。続きは隣に寄り添う黒いフードが話す。

「三万のセブンスフォニマーとレプリカ大地であるフェレス島を糧に障気は中和できる」

おお、と場がざわつく。しかし次の男の台詞に各国代表は耳を疑った。

「但し、成功した際の報酬としてオールドラントすべての支配権を俺に寄越すこと。これが条件だ」

「なっ…」

「それがどういうことか、わかっているのですか!?」

「少なくともお前よりはわかってると思うぜ、ナタリア」

黒いフードが素顔を晒す。一同は思わず息を呑んだ。

「アッシュが…二人?!」

「アッシュが二人もいる訳無いだろ。ちょっとは足りない脳みそで考えなよ」

国の代表を馬鹿にするシンクへ非難の声が上がるが、ライガの唸りで沈黙する。

「話を戻します、です…障気の中和はどうするか、です」

ライガを宥めアリエッタが言う。資料を見ながらリグレットが続く。

「ローレライの剣がない。使用できないのであれば代用…というのもあれですが、収束に足るセブンスフォニムがその場に必要となります。そこで考えたのは三万のセブンスフォニマーとフェレス島のレプリカ大地。これだけのセブンスフォニムがあれば剣が無くても計算上中和は可能である、との試算が出ました」

中和の発案と試算を弾き出したのはディストだ。さすが、天才の端くれと言ったところだろう。

「だけどレプリカたちには自分で判断できるだけの理解力が無い…です。だから今回は見送る、です」

「そんな…!」

「アンタたちは産まれたばかりの赤ん坊に瘴気の中和を任すのかい? 親が黙っちゃいないよ」

アニスを睨みつけ怒気を含むシンクの言葉に二の句が継げない一同。その沈黙にセブンスフォニマーではなく、レプリカを犠牲にする気だったことが伺い知れる。その様子に黒フードを被っていた男は笑っていた。その目が語るのは、歓楽。

「別に俺たちのやり方に合わせる必要はない。無理なら、手を引けばいい」

その代わり世界は病んでいく。ゆっくりと、確実に。

「ローレライの鍵と、一万のレプリカと、超振動で瘴気を中和すればいいだろう」

在りもしない伝説に縋りついて、夢物語を延々語っていればいい。

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