キリリク

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4545キリリク作品

リクエストは「声ネタAのアッシュでPT厳しめ、街中で口論→シンク登場→PT退場」

というわけで上記に基づき

アリエッタ、シンクは贔屓
ティア、ガイ厳しめ
ナタリア、アニス、ジェイドも若干厳しめ
上記五名は死亡エンド
作中アッシュ→レナス、アリエッタ→アーリィ、シンクはそのまま
声ネタAの時間軸でゲート戦後、ケセドニアで平和に暮らしてた辺りの話













「待ちなさい! この人殺し!!」

ケセドニアのバザーで響く大声に人々は何事か、と振り返る。

「待ちなさいって言ってるでしょ、聞こえないのかしら?!」

ずかずかと道中を進み、無遠慮にある露店の買い物客の肩を鷲掴む女。

黒髪の少女が強制的に見ることになった見覚えのない女の顔は憤怒で歪み、事情を聞こうとしたが肩を捕まれた手に力が入り、痛みに顔をしかめた。

「やっと見つけたわよアッシュ! 私の兄を殺した罪を償ってもらうわ!」

「…人違いでは?」

痛いと相応の力で少女が言い掛かりをつけてきた女の手を払う。すると、こちらに向かって駆けてくる影が一つ。

「姉様に近づかないで!」

女と少女の間に飛び込む小さな身体。

「…アーリィ」

「姉様、この人は軍人です。姉様が嫌いな、軍人、です!」

女の軍服を見てアーリィは射殺さんばかりに睨み付ける。

「ティア! 一人で突っ走るなって…あれ?」

「ガイ。聞いて頂戴! やっと見つけたの!!」

ガイと呼ばれた男は一人ではなく、青い軍服と桃色の軍服、そしてあろうことか貴族だと思われる金の少女まで連れていた。

「へぇ、これが彼の有名な"影"だったなんてな…」

「おっどろき〜! 仮面してるからもっと醜いんだと思ってたよ〜」

「あなたたち…姉様に何の用ですか」

警戒心剥き出しのアーリィに眼鏡の位置を直しながら青い軍服がやれやれと説明する。

「あなたたちは指名手配されているヴァン直下の部下アッシュ、並びに妖獣のアリエッタではありませんか?」

「…違います。私は姉のレナス、この子は妹でアーリィ。戦争で両親を亡くし、最近やっとこのケセドニアまで来ることができたんです」

「嘘だわ! 私は知っているのよ!」

「何を…ですか?」

「レナスも、アーリィも偽名で姉妹だっていうのも嘘! ケセドニアに最近来たのはダアトから逃げたからよ!」

「姉様は姉様です! 貴女に何の権利があって否定するんですか!!」

「貴女も罪人なら大人しく罪を償うべきだわ!」

「アーリィと姉様に罪なんか…」

「あるわよ。あるに決まってるわ!」

きっぱりとティアは言い切るが、論ずるだけで証拠となるようなものは一切出てこない。

「…あなたたちに何がわかるの?」

今まで黙っていたレナスがアーリィを引き寄せて抱きしめる。

「…戦争で大切な家族を亡くした。身体には一生消えない醜い跡が残ってる。だからこうやって一生懸命二人で生きているのに…赤の他人にとやかく言われる筋合いはないでしょ!」

「全部嘘じゃない! あなたも私の大切な兄を殺したのに!」

ティアは本当にわかっていない。あの日、ゲートに向かったのは他でもない、その大切な兄を殺すためだ。

こちらはヴァンを殺す手間を省いてやり、手も汚さずに済んだことを感謝してもらいたいくらいだというのに。

「こんなふざけたぬいぐるみなんて抱えて。馬鹿じゃない?」

ティアがレナスからぬいぐるみを奪おうと手を伸ばし、叩き落とされた。

「なっ…」

「帰りが遅いから心配して来てみれば…案の定じゃないか」

割り込んできた少年はなにやってるんだか、と零しアーリィを見る。顔見知りが来て安心したのだろう、アーリィの表情が少しだけ緩んだ。

「お前はシンク!」

「いい加減落ち着きなよアンタたち。かなりの騒ぎになってるのが見てわかんないの?」

後ろを指され見渡せばぐるりと円形に人垣が出来上がり、ひそひそと話し合う人の声が煩わしい。

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