キリリク

□4400
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4400キリリク作品

リクエストは「アッシュがキムラスカに戻り王になり、PT厳しめ」

というわけで上記に基づき

PT厳しめ(ルークは除外
オリキャラ出てきます
場面はアクゼリュス崩落後バチカルにて
ルークを捏造で贔屓
ファンダム2ネタバレあり


主体→王様アッシュ

















ナタリアは王座を見上げ首を傾げた。

あの椅子に座ることができるのは彼女の父、インゴベルトだけである。キムラスカという国の王だけが座することを許されたそこにいるべき父の姿はなく、代わりにあったのは思い出の中にいる人物で。

「ルーク? お父様はどこへ…」

「インゴベルト6世は既に王位から退いた。お前は知らんだろうがな」

「なっ何故です?! 何故お父様が!」

「王家の血を引かない偽者には関係の無いことだ」

「無礼な! 私は王女…」

「ナタリア・L・K・ランバルディアの影武者ですよね。存じております」

アッシュの横に並び柔く笑んだ少女は、長く美しい黒から赤に変わる髪を靡かせる。

「初めましてメリル。私はナタリアと申します」

「何を…」

「私が、キムラスカ王家の血を引く王女。貴女はスコアに詠まれ影武者に仕立て上げられた偽者に過ぎない…ということですわ」

お分かりになって? と微笑む少女の目は父と母の色を受け継いでいる。

「そんなはずありませんわ! ナタリアは私だけ! 他の王女など…」

喚き散らすメリルを冷めた目で見ながらアッシュはため息混じりに口を開いた。

「まだわからないのかメリル。言っただろう? 王家の血を引かぬ偽者に関係のない話だと」

「メリルですって?! 私は!」

「メリルですわ。このフォニム検査の診断書に間違いなどありませんもの」

少女が翳す書類に赤字ではっきりとメリルはインゴベルト、並びに王妃との血縁関係にある確率など皆無だと記されている。

「嘘です…こんな書類に書かれていることなど信用できませんわ!」

「そうよ! 偽造かもしれないわ。ナタリアが王女じゃないなんて有り得ないもの」

何の根拠もないのに胸を張り断言するティア。しかし王家の象徴も、王妃に似通う容姿も持たぬ時点でナタリアが偽者だと気づくべきだろう。ただ本人が主張した、だけでは証明にならない。特に血筋を重視するキムラスカでは論より証拠が必要となる。

「黙れ襲撃犯。貴様は何様のつもりだ?」

「失礼ね! 私は襲撃犯なんかじゃないわ!」

噛み付くティアを剣で切り裂きたい衝動に駆られ必死に抑えるキムラスカ兵は(許可さえあれば即座に襲撃犯の首をはねている)、カタカタと鎧を軋ませていた。

「その貴様の発言こそ信頼するに値しない。…ルーク、お前の報告を聞こう」

品のかけらもない抗議の台詞を無視し、アッシュは最後尾にいる(本来なら最前列にいなければならない)ルークを呼んだ。

「はい」

今まで黙っていたルークが淡々と、まるで機械のように話し出す。

「ナタリア元殿下、否メリルは私がバチカルを出る際、自らが出奔したことを棚に上げ私の秘密をバラすと脅し親善大使一行へ強制的に同行。その後もメンバーを見下した発言でパーティ内の人間関係を悪化させ、旅の間も姫だと思わなくて良いなどと自ら身分を軽んじる発言が多数見受けられました。よって分不相応と判断。排除対象と認識致しました」

いつもと様子が違うルークの台詞について行けず、メリルは呆然と立ちすくむ。

「次にグランツ響長は自らの罪を自覚しないばかりか相手の身分が判断できないなど常識力や判断力、状況認識能力の低さが目立ち、また計画性のない行動ばかりで矛盾している。が、その矛盾も気づけない有様で優先順位が曖昧な上に身内贔屓が激しい。よってガラクタ以下と判断。排除対象と認識致しました」

「…だ、そうだ。今の報告は他の者にさせた報告と相違ない」

アッシュは従者から報告書を受け取り、メリルとティアの足元にぶちまける。書類には様々な筆跡で同じような文章が並んでいる。

「わかっただろう。メリル、そして襲撃犯。貴様らは罪を犯し償う義務がある、ということだ」

アッシュの台詞が終わると同時にルークが二人を殴り付け気絶させる。その間にキムラスカ兵が手際よく二人を拘束し、謁見の間から連れ出して行った。

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