キリリク

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2800キリリク作品

リクエストは「師団長シリーズのツクヨミを含めたメンバーでほのぼのinアリエッタ」

という訳で上記に基づき、

今回は厳しめなし(全体的にほのぼの目指しました)
シリーズを読んでないと訳がわかりません
解説にて公式外伝ネタバレあり

主体→アッシュ、ミシェル、ギィ、ツクヨミ+アリエッタ











毎日毎日影で泣く姿を見ていられなくて。

「アリエッタ。お前は真実を知る覚悟と、現実を受け入れる覚悟はあるか?」



あの日から、もうすぐ一年が経とうとしている。












「…だけどまさかアリエッタまで巻き込むとは思わなかったよ」

「彼女はああ見えてしっかりしてますからね。問題無いでしょう?」

ツクヨミがぼやけばギィが返す。その間に二人はミシェルが上手く焼けたと胸を張って持ってきた菓子を摘む。

「問題なんて無いさ。ただ…」

「ただ?」

「…いいや。なんでもない」

ツクヨミはそれきり口を閉ざし、今度はアッシュが気に入っている紅茶を飲む。

「それにしても遅い…」

「あったあった、ここだよアリエッタ〜」

「でもここ…なにもない、です」

ギィが時間を気にしたのと同時に、ミシェルがアリエッタの手を引き、その後からアッシュも現れる。

「合言葉がある。言ってみろ」

「はい。…"メアリは何処へ消えた?"」

アッシュに促されるまま先程ミシェルから教えられた合言葉を言うアリエッタ。するとなにもない場所から返事があった。

「"メアリは暇を頂きました"」

途端にぱしん、と何かが弾け、なにもないところからツクヨミとギィが現れる。

「ね、ね? 凄いでしょ〜!」

「はい…です。どうやった、ですか?」

「それは企業秘密なんだよね〜」

ですよねアッシュ師団長、と言い、アリエッタに席を勧め自分も席に着くミシェル。

最後にアッシュが席に着き、少し大きめのバスケットをテーブルへ置いた。

「追加だ。客人が増えたからな」

「へぇ。気が利くじゃないかアッシュ」

「そ〜んなこと言うツクヨミ様はいらないって事で良いですか〜?」

早速、とアッシュお手製のフルーツパイを切り分けているミシェルが四等分にしようとナイフを動かす。

「誰もそんなこと言ってないだろ!」

「ツクヨミ様…大丈夫、です。アリエッタの分、半分あげます…です」

「アリエッタは優しいですね。ツクヨミ様とは違って」

「うるさいよ、そこ! お前こそなにもしてないだろ!」

「確かにな」

「ギィの役立たず〜」

口々に責められ、しかし一等爽やかに笑ってギィは言う。

「そういえば最近新術を開発したんです。誰かで試したいと思っているのですが…」

「さ〜食べましょう。ね、アリエッタ!」

「はい。とっても美味しそう…です」

「…まあいいでしょう」

ミシェルが切り分けたパイは少々いびつながらも五等分になっており、不穏な空気を纏ったギィも一時休戦とパイを頬張る。

「師団長のお菓子はいつ食べても美味しいですね」

「当然だな」

「うわ〜アッシュ師団長、今の悪役みたいな台詞ですね!」

「言ってろ」

アッシュらが冗談を言い合っている横で、パイを食べたアリエッタは目を輝かせていた。

「…ツクヨミ様、これ、美味しい…です」

「そうだねアリエッタ。僕もそう思うよ」

「アリエッタ、こっちは私が作ったんだよ〜しかも今日は一段と上手く焼けたの!」

こっち、と差し出されたカゴの中には様々なクッキーがあり、少々いびつながらどれも美味しそうに並んでいる。

「このお茶も美味しいんですよ。最近やっと手に入りまして。今のがなくなったら飲んでみてください」

ギィが勧めたお茶の銘柄に見覚えがあり、それがツクヨミの好きな銘柄であることを思い出すアリエッタ。そしてそれはアリエッタが好きな銘柄でもある。

「みんな、ありがとう…です」

ぬいぐるみを抱きしめ俯くアリエッタに、一同は笑い声を揃えた。



「ハッピーバースデー、アリエッタ!」







→後書き&補足+反省会

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