キリリク

□1111
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◆1111番キリリク作品

リクエストは「黒アッシュ(ローラン有)で厳しめ、大使・導師・使者の3名は特に厳しく。アッシュの協力者側が英雄扱い。ルークは特に厳しく! 最終的にアッシュ幸せエンド」(要約しました)

というわけで上記に基づき

ルークは特別待遇で特に厳しく、イオン、ジェイド厳しめ
ヴァン、ティアの扱いも悪い
黒いローランが出てくる
シンク、アリエッタ、シュザンヌ、クリムゾン他捏造で贔屓
ルークを厳しくするためにスコア=絶対に守るべきもの、みたいになった(つまりマルクトもスコア大好き)
何故か色々詰め込んでたら異様に長くなりました
軽微ながら残酷表現あり


主体→とにかくルークに厳しめ!!










「何故死ななかった?」



意味を理解することが苦痛となる言葉は、間違いなく彼が「父」と慕ったその人から吐き出されたものに相違ない。

















アクゼリュス崩落後、一刻も早く地上へ戻り各国へ報告をするべきだ、と提案したのは一行の事情を聞いたアッシュだった。

何でも今ユリアシティにいる全員は地上で死亡扱いになっており、誰も事実を知らない。故に早急な報告が必要だと。

とくに断る理由がない一行はアッシュの言う通り、まずキムラスカへ報告をするべくバチカルへ向かい謁見の間へ通された。

その際アッシュは他に用がある、とユリアシティを出てから一行と別行動を取っている。

「ルーク・フォン・ファブレ、只今親善大使の任より戻って参りました」

「まずは報告を聞こう」

インゴベルトは一国の王らしく威厳に満ちた声でルークに命じた。

「…はい」

ルークは見たことをそのまま話し、所々イオンやジェイド、ガイが補足しながら報告をした。

「それでのこのこ戻ってきたというわけか」

明らかに嫌悪が混ざったファブレ公爵の声音にネクロマンサーが反応する。

「どういう意味ですか?」

「何故死ななかった?」

「…え?」

ルークは目を見開きファブレ公爵を見た。困惑しているルークに公爵は敢えて静かに聞き返す。

「何故"ルーク"が死ななかったのかと聞いている。意味がわからないか?」

「まさ、か…」

「その、まさかだ。スコアを成就するためにアクゼリュスへ向かわせたというのに、スコアが成就しないばかりか親善大使は道中寄り道ばかり。レプリカ風情が、恥を知れ!」

普段は一切感情的にならないクリムゾンが怒鳴り、ルークは面食らって言葉を失う。

「我が息子の身代わりにも成れぬ出来損ないに用はない! 親善大使としての任の放棄、加えてスコアを違えたことに対しても責任を取ってもらわねばなるまい」

「俺は親善大使としてアクゼリュスへ…!」

先程から変わらず嫌悪に満ちた視線で必死に言い募るルークを射抜く公爵。

「導師イオンの捜索をしながら、か? 笑わせるな。お前が優先すべきはキムラスカ王の命だ。他国の、それも部外者を捜索するなどあってはならないこと。お前は王命を何と心得ている!」

ルークの顔は青ざめて俯き、唇も青く小刻みに震えている。だが、そんなことを気にする者はこの場にいなかった。

代わりにインゴベルトが何事か従者に耳打ちすると、青い軍服を着た白髪の男性が現れる。

それを見たジェイドが不思議そうな顔をしたが、白髪の男性―アスラン・フリングス少将―は構うことなくインゴベルトへ許可を取ると、ジェイドに向かい書状を広げまるで汚物でも見るような目で淡々と言った。

「ジェイド・カーティス大佐。貴方は今回和平の使者であると同時にマルクト側の監視役だったんです。我が皇帝は言っていましたよね? 全てを見届けて来いと。しかし貴方は監視を怠り報告もせず、"ルーク"を殺しもしなかった。誰がそんなことを命じたのです? お粗末な頭しかない貴方をマルクトは切り捨てることにしました。覚悟してもらいますよ」

「私が何を…!」

理不尽だと声を上げるジェイドにますます侮蔑の念を濃くしながらアスランは言う。

「そうですね、貴方は何もしなかった。それが罪だと気付けなかったことが貴方の罪。…我が皇帝の慈悲を仇で返した貴方に、死よりも惨い罰が下るでしょう」

アスランは赤い眼の軍人を残念そうに見ながら、しかし心にはそんな感情など欠片も無く。

号令と共に素早く罪人を拘束していくキムラスカ兵に感心しながら、その目は幼き一国の代表を眺めていた。

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