師団長
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時間軸不明(外殻降下後〜)、場所はダアトの教会エントランス、情報交換のために全員集合。
「アッシュ師団長〜!」
ガシッと勢いよくアッシュの腰に抱き着く少女。
「良かった〜、心配したんですよ〜? このミシェルを差し置いていなくなるなんて!」
ひどいです〜、と泣きマネをしながら語る少女にうんざりとアッシュは応える。
「俺はもう師団長じゃねぇ。わかったら離れろ!」
「でも〜私にとってアッシュ師団長は何しても何処にいてもアッシュ師団長ですよ〜」
素直にアッシュから離れたミシェルは胸を張って宣言する。
「私はアッシュ師団長に付いて行くって決めたんですから!」
「おやおや、特務師団長ともあろう方がロリコン趣味だったとは知りませんでしたねぇ」
いつものように茶化したジェイドは次の瞬間、頬から血を流すことになる。
「ネクロマンサー如きがアッシュ師団長を愚弄するか」
少し前とは全く違う殺気を孕んだ声。皮一枚だけ裂けるように調整された傷。そして、この場にいた者が反応できないほどの素早い動作。
先程話していたミシェルと同一人物なのか、疑わずにはいられない程の変貌に静まり返るエントランス。
「ミシェル」
「ですがアッシュ師団長」
「そいつは一般より優れた知識を有している。止めろ」
「…わかりました」
渋々、という形で左手に装備された爪はそのままに治癒術の詠唱に入る。業と初級術ではなく中級術を唱え、術が発動する直前に深く爪を差し込み苦痛を与えて何食わぬ顔で笑う、が。
「ミシェル」
アッシュにはしっかりと見抜かれており、ミシェルは顔を歪めて爪を引っ込めた。
「い〜じゃないですかアッシュ師団長〜、ちゃ〜んと加減はしましたよ〜」
「今回は、見逃してやる」
今回は、を強調したアッシュにミシェルは笑顔で礼を言い右側に控える。
「あっ、もし今後アッシュ師団長を馬鹿にする人がいたら〜」
ミシェルはおもむろに右腕を振り上げ床に叩きつける。爆音が響き床には盛大な穴が開いた。
「こ〜んな風になっちゃうから覚悟してね〜?」
ニコニコと笑うミシェルの目が笑っていないことと、ミシェルの凶行に一切動揺していないアッシュの姿がより一層ルークたちの恐怖を掻き立てた。
師団長と少女
(誰がこの穴を直すと思ってんだテメェ)(誰かですよ〜超振動が使える赤毛の師団長とか!)(わかってんなら加減しやがれ!)(いやんアッシュ師団長が恐〜い!)
ミシェル→騒々しい女の子、というイメージから。素で怪力。コントロールはバッチリ。ある任務で結果的にアッシュに助けられてアッシュ追っかけてオラクル入団(本気なら追い掛けて来い、俺はオラクルにいる)、短期で特務師団にのし上がった実力者。アッシュ自身も自らの右腕と認めるほどの有能な部下。その関係に恋愛は一切無い。どっちかっていうと家族とかそんな感じ。