ノベル
□悪/ノパロ
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とある時代の、とある国、教会の鐘が鳴り響く時間――
「おめでとうございます。元気な男女の双子です」
「双子か…」
眠る母親の腕に抱かれている双子を見て、父親は付き人に尋ねた。
「して、預言者はなんと?」
「はい。女児に王位を継がせよ、と」
「男児の方は?」
「…なんとも。しかし、捨て置くこともできますまい」
それきり部屋は沈黙が支配する。
双子の運命が動き出すのはそれから17年後。
後に「赤の狂気」と呼ばれ、歴史的な革命を起こした、17年後。
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