ノベル
□死に損ないの主張
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地殻振動停止作戦中、VSシンク戦終了後
アッシュがPTにいます
シンク厳しめ
軽微ながら残酷表現あり
主体→黒アッシュ
「結局…使い道のある奴だけが、お情けで息をしているってことさ」
イオンとルークの説得も全て一蹴し忌々しげに吐き捨てるシンク。
「だったら何故お前は生きている」
「…何?」
怪訝そうに睨んでくるシンクにアッシュは下らない、とでも言いたげに腕を組み口を開いた。
「お情けで生きているんだろう? 嫌なら死ねばいいじゃねぇか。死ぬ勇気もねぇのに自分は悪くないと正当化してお涙頂戴か?」
「言わせておけば…!」
逆上したシンクが再び拳を構え、応えるように剣を抜くアッシュ。
「不要物はゴミ箱へ入るべきだろう? …ああ悪い、レプリカはゴミ箱(棺)へ入れる身体が無いんだったな?」
「黙れ!」
飛びかかるシンクの拳を剣で弾き間合いを取る。一気に間を詰めアッシュが剣を振り下ろすがバックステップで避けられる。
「ヴァンに捨てられヴァンに拾われ利用されるだけのお人形。それを選んだのはテメェだろうが!」
勝手に生みだされたことを恨みながら勝手に生み出した者に縋りつくという矛盾。世界に憎悪しながらその世界に生きているという矛盾。
それは面倒から逃げただけの臆病者と同じ。
「俺が殺してやる。それで満足だろう?」
「ふざけるな! 満足だと!?」
シンクが一際強い打撃を放ち、避ける為にアッシュが下がって間合いを広げた。
「死にたがるテメェには似合いだと思うがな」
一瞬の隙を見逃さずアッシュはシンクの腹に剣を沈める。ぐッと息を詰まらせるシンクは口の端から血を零した。
「ヴァンに付き従う邪魔者は消す。…情けがいるか?」
シンクが歯を食いしばる。
つまりアッシュは…生きたければ生かしてやる、と言っているのだ。その際ヴァンから手を切ることを条件に。
「冗談じゃない、お断りだね!」
「そうか。残念だ」
躊躇うことなく発動させた超振動でシンクは塵一つ残さずに消えた。
説得できなかったイオンとルークは哀しんだが、ヴァンを止めるという目的の為に後悔はしなかった。
死に損ないの主張
(お前は一体何がしたいの)
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本編シンクは見ててイライラします。
自分はゴミだと主張して何をしたいのかよくわかりません。捨てられたことを恨むくせに捨てた張本人に従い、スコアが憎いと言う割には自ら行動しない。結局はシンクもヴァンのお人形なんですよ。
ゴミ箱云々は海外のことわざからで「チェスの駒はキングもビショップもゲームが終わると箱に戻る。同じくどんな身分の人でも死ねば棺(箱)に入る」というもの。