ノベル
□身から出た錆
1ページ/1ページ
アクゼリュス崩落後ユリアシティ
何故かアッシュブチギレイベント
軍階級ネタ、王族云々は今回スルー(ご都合主義)
ものっそいティアに(暴力的な意味で)厳しめ、ついでにイオン、アニスにも厳しい
↑にあるように残酷ではなく暴力的な表現あり
「やめてアッシュ!」
叫ばれたと同時にブチン、と己の中で何かが切れた音が聞こえたのは気のせいではなかろう。
くるりと身体を反転させてティアに向き直ったアッシュは無言で距離を詰め、何の前置きも躊躇いもなく力いっぱいティアを殴り飛ばした。ティアはアッシュが殴ってくるなど予想もしなかったのだろう、受け身も取れず床に叩きつけられてアッシュの理不尽な暴力に怒りを滲ませた。
「なにをするのよ!」
ティアの反論に再びアッシュの中で何かが切れた。
「テメェのお粗末な頭じゃ一生わからねぇよ、この屑!」
今度は転がっているティアの腹を蹴り飛ばす。まるでボールか何かのように綺麗に飛んでいく様はいっそ笑える。
ティアの長い髪を遠慮なく掴んで引き上げると既に声も出ないのか睨んでくるだけで反論はない。だからといってアッシュの溜飲が下がるわけでもなく寧ろ怒りを煽るだけで。
「響長如きが俺に口答えなんざしてんじゃねぇ!」
もう一回力任せにティアの腹を蹴り飛ばす。ここまでヒントをやったのに気づけないなら救いようがない。
互いにダアトの軍服を着用し己を「鮮血のアッシュ」と認識していながら許可なく呼び捨て、あまつさえ命令するなど…身の程知らずにも程がある。
軍人としてアッシュがティアに劣るものなど何一つ無い。階級、年齢、戦闘技術…どこを取っても見下される要素などありはしない。にも関わらずティアはタメ口で話し呼び捨てにする。年下である導師や他国の軍人であるネクロマンサーには畏まっているというのに、だ。
「もう動けませんってか? 貧弱だな屑女」
「わた、し、は…!」
「黙れ」
言うまでもなく無様に転がったティアの目の前に黒刃を突き立てる。喉を引き攣らせ怯えるティアにコイツは本当に軍人なのかと疑わずにはいられない。
なにより兄であるヴァンの身内贔屓が目に余る。まともな軍人なら最初に殴り飛ばそうとした時点で受け身の体勢が取れるはず。しかしティアはいとも簡単に床へ沈んだ。あれは武術の心得がある民間人にも劣るだろう失態だ。
「アッシュ! これは一体…」
「導師イオン」
イオンは床に転がるティアを見、アッシュのブーツにこびりついた赤を見て何があったのか悟ったのだろう、その表情は困惑に満ちている。
一方アッシュは動じることもなくイオンに礼を取って説明した。
「恐れながら、このグランツ響長は上官に対しての態度がなっていませんでしたので少々指導をしたまでです。それよりも導師、ガーディアンはどうされたのですか?」
「アニスには先に行くように言って来ました」
イオンの台詞を聞いたアッシュは眉間にシワを寄せた。ガーディアンを置いてくる導師も導師だが、その言葉を違えず護衛を放棄したガーディアンも頭がおかしいんじゃないかと本気で思う。
ここはダアトのユリアシティだが導師は保守派と対立する革命派。いつ何があるかわかったものではない。安全だと保証できるものが何一つないというのに護衛がいないなど有り得ない。有り得てはいけない。
「……」
所詮身代わり人形の考えることなどこの程度。過大評価しすぎた己を恥ずべきだろうか。
あまりに非常識なことが多すぎて己のレプリカのことなどどうでもよくなってしまった。
「屑女」
床で跳ねた物体を見下ろしてアッシュは続ける。
「今度同じことをやってみろ。命の保障はしねぇ」
最も今回のこととて許すつもりのないアッシュはほんの些細なきっかけでティアを超振動で消してしまいかねない。
恐怖からかティアはカタカタと震えその顔から色という色が消えていた。
身から出た錆
(兵器は黙って命令復唱、これ基本)
::
ティアは普通の軍階級なら伍長。アッシュは少佐。アニスは軍曹。なのでアッシュはPTで導師、大佐に次ぐ地位の持ち主。あんまり気にしてないけど!
そういえばイオンとアッシュの会話って本編で無かったよな〜と思いました。禁書云々はあったけど実際どんな感じで話してたのか気になる。