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□不意打ちキスの存在感
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「っふ…ぅ……」

何故か目の前に幼なじみの顔がある。

あ、離れた…

「……!」

てかキスされた!?

「ぉっ、おい忍!!」
「何?」
「今お前何した!?」
「キス。」

そうだけど、そうじゃなくて!

あー、わけわかんなくてイライラしてきたぁ―――!!

「顔赤いけど…初めて?」
「んなわけあるかボケッ」

俺の幼なじみ、斉藤忍は感情の変化はわかりにくい。一言でいうなら無表情。
そのくせ、女子に人気があるから腹立つ。

「…なんでキスしたんだよ」

「したかったから。」

したかったから。

したかったぁあ!?

「何っ、お前、したかったって何!?」
「だからキスだって。うるさいなぁ」

忍が俺とキスしたかった…でも、忍も俺も男だし…えっ、えっ?

「何…お前ホモなの?」
「違うよ」

じゃあなんだ?と首を傾げた俺を見つめる忍はどこか寂しそうだ。

「彗だからしたかったんだよ」


俺、だから?


「あ、しの…」
「じゃあ明日早いから。おやすみ」
「おやすみ…。」

部屋を出ていってしまった…。

俺だからキスしたかったってなんだ?

ホモなわけじゃないって言ってたし…

「忍は俺が好き、なのか?」

…自分で言ってて恥ずかしくなった…。

もういいや、寝よ!!

寝よ寝よ

………。

…… 。

…。

眠れねぇえ―――――!!!!!!


結局、俺は朝まで眠りにつくことができなかった。


--END--
 

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