CONTINUED STORY

□After-1
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「………本当に『彼女』には?」

「うん。…頼むよ、シャルティエ」

『彼』は頷き、一瞬―――本当に一瞬だけ暗い目をした。
僕はその目に、諦めきった寂しさを見た。
常の『彼』ならけして見せない、深い絶望の色にどきりとしてしまう。……勿論それは次の瞬間、『彼』の慎重な意志がきっちりと隠してしまっていたけれど。

「…彼女には、もう大切にすべき人が居る。僕のような人間が煩わせていい時期でもない。…これでいいんだよ、シャルティエ」

『彼』は暫く黙り、やがていつもと変わらない穏やかな表情で言った。

「でもっ、…君は、本当は」

…僕はどうしても納得出来なかったのだ。

なぜ、『彼』のような高潔な心の持ち主が身を引かねばならないのか。

なぜ、『彼女』は『彼』を選ばなかったのか。


「僕は…かつて『彼女』に十分幸福を貰った。僕のような人間には、過ぎた幸福だった。『彼女』は<明日>を選ぶべきなんだよ。それはきっと、………いつの日か、きっと実を結ぶ」


『彼』は穏やかに、笑う。







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