゚*Phantom Hideaway*゚
□-ながせ-
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中央王国に朝陽が差し込む刻となった。
人混みは夜を知らず、
にぎやかさは変わらない。
その時は刻々と過ぎて行き、
いつしか太陽は高い位置にまで昇った。
「やっほー」
「…………」
エネルカは一足先に着いたようだ。
彼は、壁にもたれて
腕を組んで待っていたラネストに
挨拶をした。
「ラネぽん、早いね」
「……その呼び方は
やめろと言ったはずだ」
「だって、こっちの方が
しっくり来るんだもん」
エネルカはラネストの隣に移動し、
手を頭の後ろで組むと
再度口を開いた。
「………ダメ、かな?」
「………」
彼は無視するかのように下を向き、
目を閉じていた。
暫くすると、ラネストは静かに言った。
「………好きにしろ」
エネルカは彼の言葉に反応し、
にこっと表情を明るくした。
「んじゃ、゙ラネぽん゙で……」