゚*Phantom Hideaway*゚
□-つくろえ-
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「勉強になったな」
「ええ。早速占い師の人の所へ案内するわ」
「おう、よろしく」
二人は村へ直通する小道を歩いていた。
歩くたびに細かい砂利が、ざざざっと音を立てる。
ルノゼアはすっきり晴れ渡った青空を仰ぐ。
日差しは暑くもなく、風が心地よく吹き付ける。
空に向かって思い切り背伸びをしたルノゼアは、
よっしゃ、と気合いを入れた。
やがて道が開け、ペルル村の中心地である噴水広場にやって来た。
人々はそれぞれに何らかの荷物を抱え、忙しく行き交っていた。
ユシェラによると、占い師はいつもこの噴水広場で露店をしているらしい。
目立つからすぐに見つかるわ、と彼女は語った。
それから間もなくして、とある露店を見つけた。
机にはテーブルクロスが敷かれていた。
更に紫色のラメ糸が編み込まれたランチョンマットが敷かれおり、
その上にはお香や香立て、薬草やカードなどが並べられていた。
一見して、占い師の露店だと分かった。
そこの主は若い女性だった。
彼女はおとぎ話の魔女のような帽子を被っていた。
内巻きの紫髪を垂らし、地面に届くまでのマントを羽織っていた。
妖艶という言葉がしっくりきた。