D灰 dream
□16
1ページ/1ページ
ポーランドにある、小さな村
その村は、近くの大きな街とも交流はあまりなく、ほぼ自給自足の生活をしていた
住む人は多くはなかったが、みな支え合い、不自由なく暮らしていた
そんなある日一人の村人が、“森から歌が聞こえる”と呟いて、森に行ったまま帰ってこなくなったそうだ
最初は一人だった
しかし、だんだんといなくなる人が増えていった
その全員が、“森から歌が聞こえる”と呟いて消えたそうだ
しかし、その歌とは一部の人間にしか聞こえないらしく、周りの人間は気味悪がっていた
そして1ヶ月が経ち、村人の四分の一がいなくなってしまったのだ
そのほとんどが若い男で、の働き手が減った村の機能は低下しつつあった
――そして、探索部隊が調査に行ったんだけどね…」
そこまで言って、コムイは一息吐き、浮かない顔をした
「…で、探索部隊の人たちはどうしたんですか?」
アレンが先を促す
「なにも聞こえないらしいんだよね〜。歌はおろか、人の気配もしないんだって」
「『……は?』」
見事に、アレンの声とアディの声が重なった
「だからね、何も聞こえないんだって。でも、聞こえる人には聞こえる。探索部隊が気味悪がっちゃってさ」
「AKUMAですかね?」
『どうだろうね? とりあえず、行ってみないと分からないかな…』
「と言う訳で、調査行ってらっしゃい!」
コムイに送り出され、アレンとアディは任務へと向かった
.