D灰 dream
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『私はアディよ。あなたの名前は?』
アディはしゃがみ込み、女の子と目線を会わせる
「ぐすっ…。サラ…」
涙を流す少女、サラの頭を、アディは優しくなでた
『お父さんやお母さんと、はぐれちゃったのね?』
サラの頭を優しくなでながら聞くアディには、さっきまでAKUMAと戦っていたとは思えないほどの穏やかさがある
「うっ…ぐすっ…。うん…」
泣きながらそう応えたサラを、アディはギュッと抱きしめた
(きっと、この子の両親は…)
そう思い、アディの腕にはより力が加わる
『サラ、よく聞いてね』
アディはサラの目を見つめながら、しっかりと事実を話そうとする
『サラのお父さんとお母さんは、多分死んでしまったわ。
でもね、サラ。
あなたは一人じゃないから。
これから、サラを守ってくれる人のところへ連れて行ってあげるからね』
目から大粒の涙を流しながら、サラはゆっくりと、でもしっかりと頷いた
『じゃあ、行こう』
アディはそう言い、サラの手を取って立ち上がらせた
そのまま、今度は樹の表側へ回った
「アディ、その子どうしたんさ?」
丁度門に着いたユウ、アレン、ラビを見つけた
『生き残りみたい。この樹の裏に隠れてたの』
三人の男を見て、サラはアディの後ろに隠れた
『この三人は、悪い人じゃないから大丈夫よ』
アディが言うと、サラはおずおずと前に出てきた
『サラって言うの。両親ともいないみたいで、探索部隊の人に預けようと思って』
アディたち五人は、探索部隊を探しに街を出た
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