D灰 dream

□08
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「急なんだけど、君たち四人には今からギリシャに行ってもらいたい。

数日前に、近隣の街にいた探索部隊から連絡があり、レベル3のAKUMAが数十体現れているそうなんだ。

近くに人がたくさんいる街があるから、今すぐに!」


コムイに手短に説明を聞くと、アディ、神田、アレン、ラビの四人はすぐに教団を出発した





汽車に乗り、一段落ついたところで神田はふらっとどこかに行ってしまい、個室の中には残りの三人が残った


「そう言えば、さっき気づいたんですが、アディは神田のこと、ユウって呼んでいるんですか?」


アレンは向かい側に座るアディに聞く


「そうそう! それ、オレも気になったんさ!」


アレンの隣に座るラビが、身を乗り出すようにして聞く


『え? あぁ、私くらいだもんね、ユウって呼ぶの』


そう言ってから、アディは何故神田をユウと呼ぶのか話し始めた


『私、生まれたときから教団にいて、神田に初めてあったのは私がまだ3歳とか4歳の頃で…。

その頃、私は濁点の発音が苦手で、神田って言えなかったの。

それで、ユウって呼ぶようになったんだ』


アレンとラビはすごく驚いている


「オレらがユウって呼ぶと怒るのにな。何気にユウにも優しい面があったんさ〜」


ラビはしみじみとしたような表情を浮かべている


「アディはなんで生まれたときから教団にいるんですか?」


アレンがまた、別の質問をぶつける


『私の両親は、二人ともエクソシストだったの。

父さんは元帥だったって聞いてるわ。5年前、ティキに殺されるまではね』


そこで、アディは一息吐き、また話し始めた


『5つ年上の、ユウと同い年のお兄ちゃんもいたけど、3年前に同じようにティキに殺されてるわ。

残ったのは、私だけ…』


アディの、思いもよらなかった告白に、アレンとラビは言葉を失った


「すみません。辛いことを思い出させるようなことを聞いてしまって…」


ばつが悪そうに、アレンは言う


『大丈夫。もう、過去のことだから。

両親が死んで、兄さんも死んでしまってから、コムイさんやリナリー、ユウやリーバー班長が、私に家族みたいに接してくれていたから』


アディは、少し哀しげな表情で笑った


汽車は、目的地に近づいていた


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