D灰 dream
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翌朝、まだ夜が明けきってない時間。
アディは一人、食堂へ向かっていた。
(誰もいないといいな…。探索部隊の人は苦手…)
幼い頃からエクソシストとして戦場にいたアディは、探索部隊の人とも関わることは多かった。
しかし、どうしても馬が合わないのだった。
普段は人なつこい笑顔を振りまいていたアディだが、それはあくまでも普段の話。
戦場に行けば、そんなのは微塵も感じさせない表情。
幼いながらもエクソシストとして、AKUMAと戦ってきたがためだ。
そんなアディを見たある探索部隊の一人が言ったのだ。
[彼女は“血まみれの天使(ブラッディ・エンジェル)”だ。天使のような、悪魔だ]
それは探索部隊の間を駆けめぐり、いつしか定着してしまっていた。
みんなのために、みんなを守りたいと思って戦っているのに、周りの人間はアディに対し、恐れという感情しか抱いていない。
そしていつの間にか、アディはコムイなど、限られた人間にしか笑顔を見せなくなった。