D灰 dream

□05
1ページ/1ページ


翌朝、まだ夜が明けきってない時間。


アディは一人、食堂へ向かっていた。


(誰もいないといいな…。探索部隊の人は苦手…)


幼い頃からエクソシストとして戦場にいたアディは、探索部隊の人とも関わることは多かった。


しかし、どうしても馬が合わないのだった。


普段は人なつこい笑顔を振りまいていたアディだが、それはあくまでも普段の話。


戦場に行けば、そんなのは微塵も感じさせない表情。


幼いながらもエクソシストとして、AKUMAと戦ってきたがためだ。


そんなアディを見たある探索部隊の一人が言ったのだ。


[彼女は“血まみれの天使(ブラッディ・エンジェル)”だ。天使のような、悪魔だ]


それは探索部隊の間を駆けめぐり、いつしか定着してしまっていた。


みんなのために、みんなを守りたいと思って戦っているのに、周りの人間はアディに対し、恐れという感情しか抱いていない。


そしていつの間にか、アディはコムイなど、限られた人間にしか笑顔を見せなくなった。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ