D灰 dream
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「…見ろよ」
「…久しぶりだな、あいつがいるの」
ヒソヒソと話す、探索部隊(ファインダー)の声
視線の先には、一人の幼い少女
「あいつって、あの娘ですか?」
新入りであろう探索部隊の男は、少女をあいつと呼んでいた二人に聞く
「ああ、そうだ。教団に帰ってきたのは久しぶりだから、新入りのお前が知らないのも無理はないな」
「あいつは、アディ・エレバン。両親共にエクソシストだったが、何年か前に殺されて。唯一の肉親だった兄も、今は死んでる」
相変わらずヒソヒソと、アディと呼ばれた少女について話している
「じゃあ、可哀相な娘なんスね」
新入りの探索部隊の男は、アディを見つめながら言う
「まぁな。でも、あいつには関わらない方がいいぜ」
「なにせ、“血まみれの天使(ブラッディ・エンジェル)”って異名を持つくらいだからな」
「“血まみれの天使”?」
アディは、そのヒソヒソ声をしっかりと聞いていた
(“血まみれの天使”か…。ぴったりすぎて、私も驚いちゃう…)
表情一つ変えずに、少女は歩き続ける
「なんでも、12歳にして次の元帥候補なんだとか」
「AKUMAにはかなり残酷で容赦しない戦い方で、全身にAKUMAの血のオイルをかぶっても平然としていたらしい…」
それからしばらく、三人の探索部隊はアディについて話していた
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