D灰 dream

□01
1ページ/1ページ


「…見ろよ」


「…久しぶりだな、あいつがいるの」


ヒソヒソと話す、探索部隊(ファインダー)の声


視線の先には、一人の幼い少女


「あいつって、あの娘ですか?」


新入りであろう探索部隊の男は、少女をあいつと呼んでいた二人に聞く


「ああ、そうだ。教団に帰ってきたのは久しぶりだから、新入りのお前が知らないのも無理はないな」


「あいつは、アディ・エレバン。両親共にエクソシストだったが、何年か前に殺されて。唯一の肉親だった兄も、今は死んでる」


相変わらずヒソヒソと、アディと呼ばれた少女について話している


「じゃあ、可哀相な娘なんスね」


新入りの探索部隊の男は、アディを見つめながら言う


「まぁな。でも、あいつには関わらない方がいいぜ」


「なにせ、“血まみれの天使(ブラッディ・エンジェル)”って異名を持つくらいだからな」


「“血まみれの天使”?」


アディは、そのヒソヒソ声をしっかりと聞いていた


(“血まみれの天使”か…。ぴったりすぎて、私も驚いちゃう…)


表情一つ変えずに、少女は歩き続ける


「なんでも、12歳にして次の元帥候補なんだとか」


「AKUMAにはかなり残酷で容赦しない戦い方で、全身にAKUMAの血のオイルをかぶっても平然としていたらしい…」


それからしばらく、三人の探索部隊はアディについて話していた


.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ