short story
□『あなたのことが…』
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キスありです。
学ヘタのパロっぽいです。
国名呼びは控えたいので、セーシェルではなくセシルちゃんと名付けたいと思います。(アーサーはセーちゃんとは呼ばないと思うので…)
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「なぁ、セシル。お前って、好きな人とかいないの?」
放課後の生徒会室
会長のアーサーと、その仕事を手伝っているセシルの2人きり
会長の机で黙々と作業をしながら、アーサーは顔色一つ変えずに問うた
「いきなりなんスか?」
動揺を抑えつつ聞き返す
「いや、だって、普通お前くらいの年頃の女なら、好きな奴の1人や2人はいるんじゃないのか?」
相変わらず、手元の書類を見ながら言う
「お前くらいの年頃って、2つしか変わらない会長に言われたくないっス」
そういいながら、セシルの頭の中は混乱していた
(なんで今までずっと仕事を手伝ってやってるのに、私が会長のこと好きなの気づかないんだろう…)
アーサーが、書類ばかり見ていた目をセシルに向けた
「まさかお前…」
若干顔を引きつらせている
「フランシスが好きとか…?」
真面目そうな顔で言った
「………は………?」
セシルは唖然として、固まってしまった
「だって、お前、もともとフランシスに誘われてこの学校に来たんだろ?」
また書類に目を戻しながらアーサーが言った
(ホントに鈍い… なんでそうなるのかな…?)
セシルは半ば、あきれてしまっていた
セシルがこの学校に入った理由、それは…
知り合いのフランシスに誘われてこの学校に見学に来たときに、フランシスと一緒にいたアーサーに一目惚れしてしまったからなのだ
そのことをフランシスに話したら、「じゃあ、生徒会の仕事手伝う〜?」と言ってくれたので、アーサーと一緒にいる時間を作るために手伝っているのだ
「はぁ…」
セシルがため息をついていると
「なんだよ、ため息なんてついて」
自分のせいだとはつゆ知らず、書類の山と格闘しているアーサー
「私が好きなのは、フランシスさんじゃないッス…」
セシルはそう言うと、手に持っていた書類を置くと、アーサーの後ろに立った
「なんだ?」
書類から全く目を離さないアーサーの肩を持ち、グイッと自分の方に向けた
驚いているアーサーを気にせず、セシルはちゅっと、自分の唇をアーサーの唇に付けた
「なっ!?」
口をパクパクさせているアーサー
「私は、この学校に来たときから、会長のことが好きなんス」
セシルがそう言うと、アーサーは顔を真っ赤にさせた
「なんだよ… フランシスの野郎、オレがお前のこと好きなの知ってて手伝わせたな…」
アーサーがそう言うと、セシルはえっ?と言った
「学校見学の時、お前のこと見て好きになってんだよ…!」
セシルと目を合わせないようにそっぽを向きながらアーサーが言った
「私もッス。それでフランシスさんに誘われて、手伝うようになったんスから…」
セシルも顔を赤くしている
「なんだよ、あいつ…」
なにやら、フランシスに対してぶつぶつと文句を言っている
しかしすぐに、まぁいっか、と言ってセシルの唇に、今度はアーサーが自分の唇を重ねた