short story

□『暑さのせいにして』
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「暑い…」

着ている制服を出来る限りだらけさせる生徒会長

生徒会長が率先して学校の風紀を乱してどうするんだ、と言うような光景

何故アーサーがこのように1人クールビズをしているのかと言うと…

「何で夏休みに入ってすぐクーラーが壊れんだよ…」

そう、原因は謎なのだが、今アーサーがいる生徒会室がある校舎のクーラーが全滅してしまったのだ

「あんの髭野郎…。どこほっつき歩いてんだ…!!」

暑さのために、イライラはヒートアップしていく

そんなとき、

「うわぁ。こっちも暑いんやなぁ〜」

のほほんとした女の声がした

アーサーはドアの方を見て驚く

「ベル!? どうしたんだ?」

その声の主は、生徒会メンバーでもないベルだった

「フランシスにこれ持って行けって頼まれたんよ」

そう言ってベルが差し出した袋の中には、いくつかアイスが入っていた

アーサーはシャーベットを袋の中から取り出し食べ始める

暑さで火照った身体に、シャーベットが染み渡る

そんなアーサーを見て、ベルもアイスを食べ始める

「そう言えば、何でベルは学校にいるんだ?」

「ん? 勉強しようと思ってたんやけど…」

クーラーが壊れて暑くてな〜、と言うベル

ふ〜ん、と自分で聞いておきながら、適当な返事をするアーサー

暑さのせいなのか、アーサーがアイスを食べるペースは早い

もう次のアイスに手を伸ばしている

アーサーが次に選んだのは棒タイプのもの

それからしばらく、普段の学校生活などの話をする

「あ、アーサー」

急にベルが、アーサーに近づく

そして、アーサーの手首を掴みペロッとアイスの下の方を舐めた

「なっ…///」

その行為によって、アーサーの顔は赤くなっていく

「なんや、アーサー?? 赤くなっとるよ??」

によによしながらアーサーを見るベル

「だって…、お前…///」

「だって垂れそうやったから。案外アーサーは照れ屋なんやな!!」

ケラケラと笑うベルに、アーサーは拗ねる


暑さのせいにして


(何なんだよ、ばかぁ///)
(だって好きなんやもん)
(…は?)
(ウチ、アーサーのこと好きなんや)
(俺もだ…///)


.

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