short story book

□『想いを伝える5秒前』
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私は黒の教団本部の科学班の中で唯一の女性。

つい最近、オセアニア支部から異動になり、本部へとやってきたばかりだ。

今日もいつものように、終わることのない仕事と戦っている。

「地質学専門で手の空いてる奴ー?」

『私、大丈夫ですよ』

科学班で私が担当しているのは、地質学・天文学・心理学の3つだ。

私がなぜ、本部で働きたかったのかというと…

「アディか。無理するなよ」

そう言って、私に地質学部門での未処理の書類を渡すリーバー班長。

そう、私は支部にいた時から、リーバー班長のことが好きなのだ。

出会いは6年前――

元々天文学が得意で、周りの人に黒の教団オセアニア支部での勤務を勧められた。

そして、当時オセアニア支部のエリートだったリーバーを好きになった。

しかし、リーバーは間もなく本部へ異動してしまった。

それからリーバーを追ってずっと勉強を続け、地質学と心理学も専門するようになった。

本部に来てからは毎日仕事漬け。

でも、ずっと好きだったリーバーと一緒に仕事が出来るんだから、文句はない。


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