捧げ物

□『誰にも渡さない』
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『アレン!! 終わったよ!!』

「こっちもです!! ミライ、ケガはありませんか?」

『当たり前!! そんなヘマはしないよ!!』

私とアレンはイノセンスの回収任務から帰る途中、Lv.1と2のAKUMAの大群に襲われた

幸いLv.1と2だったために、私とアレンですぐ破壊してしまった

「それはそうと、どうしてこんなにたくさんAKUMAがいたんでしょうね?」

イノセンスを解き、アレンは言う

『ホント、何でだろうね?特にイノセンスを狙ってた訳でもないみたいだし…』

私が首を傾けた時、高い声が辺りに響いた

「ミライ〜〜〜!!!!!」

驚いてとっさに振り向こうとすると、何かが私に覆い被さった

「おいおい、ロード。ミライはオレのモノだぜ」

「違うも〜ん!! ミライはボクのだもん!! ティッキーにはあげないよ?」

『っ!? ロード、離れてよ!!』

私に覆い被さって来たのは、ロードだった

しかもティキも一緒にいる

『2人共、なんでここにいるのよ!?』

ロードをベリッと引き剥がし、私はキリッと2人を睨み付ける

「だって、ミライに会いたかったんだもん!!」

身長差のせいで、自然と私を見上げるロード

(……可愛い)

わざとのようだが、実際上目遣いをされると、可愛いものだ

「ロード、そろそろミライから離れてくれねぇ?」

後ろから、ティキの腕がのびてきて私を抱き締める形になる

『えっ/// ちょっ!? ティキ、やめてよ///』

意識していないのに、自然と私の顔は赤くなる

「赤くなっちゃって、ミライは可愛いなぁvV」

ティキの腕が、私から離れる気配は全くない

それどころか、更にギュッと抱き締められている気さえする

「赤面したミライもいいけどぉ…。ボクは戦ってる時の顔も好きだなぁvV」

「確かに!! オレはやっぱり笑ってる顔も好きだな!!」

なんて、私を差し置いて勝手に話を進めるロードとティキ

端から見たらただの変な人なのに、2人はとても楽しそうだ

『もう…。って、あれ? アレン??』

ロードとティキを無視し、私はアレンを探す

すると、いきなり背後から口を塞がれた

(静かに。あの2人は相手にしてもしょうがないので、ここは逃げますよ)

アレンは後ろから私の耳元で囁くように言うと、ヒョイッと私を抱えた

俗に言う、お姫様抱っこというヤツだ

そのままアレンはダッと走り出した

「あっ!! アレン!?」

「おいおい? 少年、抜け駆けはズルいぜ??」

ロードとティキが追いかけて来るのを無視して、アレンは走り続ける

「僕だって、嫉妬くらいするんですからね」

走りながら、アレンは少し拗ねたような顔をして言った

『ごめんね』

私はそう言ってアレンの首に手を回す

「分かればいいんです。ミライ、」

『なぁに??』

「大好きです。ミライのことが、誰よりも」

『…私もだよ、アレン///』
「だから……


誰にも渡さない


(ところでアレン)
(なんですか、ミライ)
(いつまでお姫様抱っこしてるの?)
(しばらくは。だってミライ、教団でくっつくの嫌がるじゃないですか)
(いや、そうだけど…。いい加減おろしてよ///)


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