あなたと共に歩む道

□認めたくないと、意地を張る
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あれから数日が経った

俺が何か聞こうとすると、真深はすぐに逃げてしまう

上手い具合にはぐらかされ、話が出来ないまま日は過ぎていく

真深がめぐと街に出掛けてしまった非番の日

俺が一人縁側にいると、やって来たのは奈摘・絢・真深の三人

『斎藤さんっ!!』

一番元気が良いのは、奈摘

茉南は相変わらず、無表情だ

茉南と対照的なのは絢

終始笑顔、という訳ではないが、柔らかな表情

『真深の秘密が知りたいんでしょ』

ズバッと言うのは茉南

それに対し、絢は苦笑する

『もう、茉南は…。直球なんだから…』

『や、でも。真深に変化球は無駄だろ』

「奈摘。何を言っているのだ?」

うーん、と考え込む奈摘

『深い問題じゃ、ないですよ。ただ、認めたくないのかな?』

考え込んでしまった奈摘の代わりに答えてくれる絢

『要するに、意地っ張り』

簡潔にまとめすぎるが、何となく把握した

恐らく、真深は"愛"と名の付くものに弱いのだろう

家族間の愛情や、恋愛など…

「解決策は、あるのか?」

駄目元で問うてみるが、三人共首を横に振った

『原田さんも、土方さんも、自力でどうにかしてきましたから』

『応援はしてる!!』

『ま、頑張れば?』

絢・奈摘・茉南はそう言い残し、去って行った

難問を置いて、笑顔で去って行く三人

まともに恋愛した事がなければ、家族愛も今一つよく分からない

こんな俺に、真深を救う事が出来るのだろうか…


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