あなたと共に歩む道

□無意識の動揺
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ー斎藤ー

今日は巡察が入っていない

そのため、俺は真深を誘って縁側でのんびりしていた

『はじめっ!!』

ふいにそう呼ばれ、真深の方を見ると…

ニャ〜、と鳴く猫がいた

真深は楽しげに猫を俺の膝の上にのせた

「なんだ?」

『一度やってみたかっただけ!!』

猫を膝の上にのせた俺を見て、嬉しそうな表情を見せる真深

猫を退かすのも可哀想だったので、しばらくのせておく

俺の隣に座り、満足そうな顔をする真深

「なぁ、真深」

湯呑みに入った茶をすすりながら問う

『なに??』

同じように茶を飲む真深

「ここに来てから、茉南と奈摘は色々あったな」

『うんうん。特に茉南にはびっくりしたな〜』

「2人とも、何かしらの問題を抱えていただろう?」

『…そう、ですね』

「お前はどうなんだ? 真深」

そこまで言って、真深を見る

真深はただ前を見ている

『オレは…。何もないですよ』

ああ、隠しているな…

俺はそう感じた

その証拠に、真深は普段使わない敬語を使っている

無意識に動揺しているのだろう

ふむ…

無理矢理聞き出すのは性に合わん

いったいどうしたものか…


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