あなたと共に歩む道
□心の底に秘められし…
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ー土方ー
第一印象は"変な奴"
第二印象(?)は"よく分からない奴"
それが、俺が奈摘に抱いた感情だった
奈摘が来て1ヶ月余りがたった
俺の予想とは裏腹に、原田が茉南とくっついた
あんなに原田の事を嫌っていた茉南だから、もっと時間がかかると思っていた
『茉南の男嫌いは、特に根拠はなかったから。信頼関係さえ築ければ大丈夫です』
奈摘達がここに来た直後に奈摘から聞いた話
奈摘は色々な話をした
元の時代での話をたくさん…
しかし、その話の中に奈摘自身の話はなかった
本人が話さないのなら聞かない方がいいのだろう、と思っていた
それに、そんなこと知らなくともいいだろう、とも思っていた
俺が奈摘の事を知ろうと思ったのは、あの出来事があってから…
*
3日ほど前のこと
6月に入り、だんだんと暑くなっていた
丁度その日は昼間、ずっと雨が降り続いており、夕方から蒸し暑くなった
夕食後奈摘以外は皆、たすきで着物の袖をまとめていた
しかし、奈摘は暑いのを我慢し、袖をまとめていなかった
奈摘がいない時に絢達に聞くと、
『それは、色々あるんですよ』
『本人に聞いて下さい』
口々にそう答えられた
だから奈摘に聞いてみたのだが…
「聞かないで、下さい…」
悲しそうな顔で、そう言われた
奈摘は、いったい何を秘めているのだろうか…?
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