あなたと共に歩む道
□救いたい人
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「ふうっ。これで片付いたか…」
辺りを見回したため息を吐く
謎の騒ぎはただの喧嘩が発展したようなものだった
「よし。茉南のところに戻るか!!」
オレは自分にそう言い、かんざし屋のところまで戻った
しかし、かんざし屋には茉南の姿はなかった
かんざし屋の女に声をかけると、「数人の男に連れていかれた」と言われた
それからオレは、道行く人に茉南の事を尋ねて回った
情報を元に進んで行くと、京の街から少し離れた場所に行き着いた
そこは小さなボロ小屋だった
本当にこんなとこにいるのか?と疑いつつ扉を開くと…
「よぉ。やっと来たか」
「遅かったな、新撰組十番隊組長さん?」
いかにも阿呆そうな顔の男が数人いた
「茉南はどこだ?」
オレが問うと、男たちがすっと退く
その後ろに、両腕を後ろ手に縛られた茉南が座っていた
「茉南!! 怪我はないか!?」
『…遅い』
こんな状況でも普段と全く変わらない茉南
「待ってろよ。今助けるからな」
オレがそう言った瞬間だった
オレが入って来た扉がガラッと開き、10人ほどの男が入って来た
「この状況でも、まだ助けるなんて言えるか?」
オレを挑発するかのように言う男
「ああ。助けてやるさ…!!」
そう言うと同時に、オレは槍を構えた
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