あなたと共に歩む道
□核心はどこなのか
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更に1週間が過ぎた
奈摘と真深には『直接聞け』と言われたが、何も出来ずにいる
少しは慣れたような気はするが、まだ笑ってくれない
近藤さんには、奈摘達と同じように接している
「はぁ…」
廊下で立ち止まってため息を吐く
『まだ聞けてないんだ』
後ろから、呆れるような声が聞こえた
『あぁ、奈摘が前に言ってた話?』
オレの後ろに立っていたのは、奈摘とめぐだった
『茉南はツンデレだからなぁ』
『うんうん。一筋縄じゃ、いかないよねぇ』
にこにこ、というよりもニヤニヤに近い笑みを浮かべる奈摘とめぐ
「つんでれ、って何だ?」
オレが聞くと、
『茉南みたいな性格の子ですよ!!』
『ふふっ。茉南は可愛いなぁ〜』
核心的な答えを残さずに、どこかに行った
(しょうがねぇな。絢にも聞いてみるか)
まだ絢からは何も聞いていなかったので、オレは早速聞きに行った
*
『で、私のところに来たんですか…』
総司の部屋に行くと、絢は1人で総司が溜め込んだ仕事をしていた
「ああ」
『そうですね…。原田さんが茉南を女の子らしくしてくれるなら、少しくらいはお話します』
「女らしく?」
私が言うのも可笑しいですけどね、と自嘲ぎみに笑う絢
『そうは言っても、私が言えるのは1つですけど』
「なんだ?」
オレは少し身構えながら聞く
『茉南は、恋をしたことがないんです』
「……は?」
思わず、オレの口から間抜けな声が出る
『言葉の通りです』
「だって、もう16だろ?」
『茉南は誕生日が早いから、そうですね』
「で、何でオレが嫌いなんだ?」
オレが首を傾げると、絢は困ったような笑いを浮かべた
『この先は、茉南に直接聞いて下さい』
またしても核心的なことは聞けず、その場が過ぎた
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