あなたと共に歩む道

□嫌よ嫌よも好きのうち?
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「……すごっ」

山崎さんが、近藤さんの知り合いの呉服屋さんを連れて来た

その呉服屋さんが持ってきた着物を見た感想

着物を普段着としない私達にとって、それは自然な感想だろう

水色・紺色・橙色・紫色・黄色の5色の着物

「これから暑くなりますから、着心地のいいものを選んできましたよ」

愛想の良い呉服屋の女将さんは、私達に話す

手際よく私達に着物を着せてくれ、着脱の仕方なども教えてくれる

「さあ、これで完成です。早く皆さんに見せてあげて下さい」

着替えていた部屋から、幹部のいる部屋に戻る

呉服屋の女将さんが、失礼します、と声をかけて襖を開く

中にいた幹部の人達は、私達の変わりよに驚いているようだ

奈摘が黄色、真深が紺色、めぐが橙色、茉南が紫色、私絢が水色の着物だ

「どうですか?」

呉服屋の女将さんが、誇らしげな顔で問う

「…驚いた。奈摘、綺麗だ」

最初に感想を漏らしたのは土方さんだった

「絢ちゃん…。すごい似合ってるよ」

「真深も。すごく良い」

「やべー。めぐ、かなり可愛い」

「茉南、綺麗だな」

沖田さん、斎藤さん、平助、原田さんもそれぞれ感想を呟く

「いやいや、皆よく似合っているなぁ!!」

静かになったところで、近藤さんが言う

「着物に着替えたところで、トシ達は各部屋に案内してやってくれ」

「各部屋??」

近藤さんの言葉に、茉南が反応する

「うむ。小姓は、それぞれの幹部と同じ部屋で生活してもらうのだよ」

「……冗談ですよね?」

「何だ、茉南。オレが嫌なのか?」

茉南と近藤さんの会話に、原田さんが入ってきた

「嫌です」

「ははっ、佐之の奴、嫌われてやんの!!」

茉南の即答に、笑い声をあげる新八

新八に笑われ、少し凹んでいる原田さん

「もう、茉南。仲良くしなよ?」

めぐは未だに納得がいかないようで、ぶすっとしている

何はともあれ、屯所での生活が始まるのであった


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