あなたと共に歩む道

□願い続けた出会い
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ドサッ

そう音を立てて私達が落ちた場所、それは……

「「「「屯所〜〜〜!!!??」」」」

奈摘、真深、めぐ、そして私、絢の声が重なる

「はぁ?」

茉南が意味分かんない、という顔をしている

そう、私達が落ちた場所は新撰組の屯所の目の前だったのだ

「なんの音だ?」

呆然と座り込んでいる私達のもとに、一人の男の人が現れた

その人を見た瞬間、奈摘の目が輝いた

「土方さんっ!!」

いきなり立ち上がると、現れた男の人――土方さんに飛び付いた

「………マジ?」

真深が、その光景を見て呆然としている

「信じられないんだけど」

「いや、茉南のその口調じゃ、そんな感じしないんだけど」

こんな情況でも冷静な茉南と、それに突っ込む私

「はあ?? お前ら、何なんだ?」

奈摘を引き剥がしながら言う土方さん

「私達が聞きたいくらいですけど」

茉南が、土方さんを軽く睨むように言う

「茉南、土方さんに喧嘩売らないでよ」

めぐが苦笑している

「事情を話すと、長くなりそうなんですけど…」

「…面倒くせぇな。着いて来い」

私の言葉に土方さんはため息をつきながらも、屯所の中に案内してくれた

着いた場所は広間とでも言うのだろうか

普段、幹部の人達がご飯を食べているところ

巡察に出ている幹部はいなかったようだ

(斎藤さん!! 生の一は可愛いなぁvV)

(平助だぁ。ついつい苛めたくなっちゃう♪)

(うわっ。原田さんかぁ…)

真深、めぐ、茉南もそれぞれ思っている

私も例外ではなく…

(沖田さん…!! 超カッコイイ!!)

とか思っている

「土方さん。その不思議な格好をしたのは、誰ですか?」

少し頬を赤らめた斎藤さん

斎藤さんには女子高生のスカートは刺激が強かったのか;;

「落ちてた。その理由を説明してもらおうか」

ドカッとあぐらをかく土方さん

私達も、空いているところに座らせてもらう

「ん〜。まぁ、説明はしますけど…。信じるか否かは任せますね」

5人を代表して、私が話始める

広間にいた幹部――

土方さん、斎藤さん、沖田さん、原田さん、平助は私に視線を向ける

「どうやら私達は、数百年前の時代から、ここに来てしまったみたいです」

「「「「「……………」」」」」

簡潔にまとめた事を私が言うと、見事にその場がシーンとした

「地味に傷付く…」

「ドンマイ、絢!!」

「そうなると思ったから、言いたくなかったんだぁ」

真深とめぐがからかうように笑う

「でも、当たり前の反応だよな〜」

「うん。めぐも、未だに信じられないし」

今度は奈摘とめぐが、土方さんと平助を見ている

「…ねぇ。それって、本当なの?」

最初に幹部メンバーで口を開いたのは、沖田さんだった

「はい。この格好を見てもらえれば、この時代の人間でないことが分かると思います」

だって、ブレザーの制服だし

明らかにこの時代ではあり得ない素材だし

「まぁ、信じられねぇけど、嘘をついてるようには見えねぇな」

少し不思議なものを見るような目をさながら、原田さんが言った

「で、どうするんだ? 土方さん」

平助が口を開いた

その時、

「話は聞かせてもらった!!」

ピシャン、といい音をたてて障子の扉が開いた

中に入ってきたのは、他でもない近藤さんだった


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