妄想の世界のお話
□後悔はしないでね
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「ボスが亡くなりました。」
人と人の出会いは突然で、
別れも突然だとある人は言った。
それは本当で、
前者は、
僕らの出会いが君が、
僕の学校に入学したことで、
僕と出会ったことだし、
後者は、
つい30分前まで、
そこのソファーに座って難しい顔で、
コーヒーを飲んでいた君が、
・・・もう帰らぬ人となったことで、
証明された。
・・・後者は照明されなくて良かったのにね。
神様はいつも不公平だ。
僕らに幸せな時間を少し与えて、
それに慣れたころに、
その幸せを一気に壊してしまうのだから。
いつか君が
『俺は平凡に生きたかっただけなのに』
って言ってたね。
その時は、
僕にその≪平凡≫は分らなかったけど、
今なら共感できるよ。
君のいる世界が平凡だと思うよ。
僕は君が好きだったよ・・・綱吉。
君に伝えたかった思い。
君に言いたかった言葉。
君に、きみに、・・・。
なんで、君はいつも僕を置いていくの?
なんで、
僕が伝える前に・・・居なくなってしまったの?
君が大好き、
君を愛してる、
君で満たして、
言いたいこと言えないままなんて、
過去の僕はしないで・・・・・・。
――END――