妄想の世界のお話

□一通の手紙
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――ガサガサッ――



『雲雀さんへ

・・・まず、ごめんなさい。

貴方がこの手紙を読んでいる、ということは、

俺は、きっと貴方の傍に居ないんでしょうね。

そして、この世にも。

なんで、

こんな悲しい未来になってしまったんですかね。

俺が願った未来には、

貴方と他の守護者、

いや、

俺の友人たち、その家族、

・・・他のみんなが笑顔でいられる場所、

だったはずなのに、

何でこんな未来になっちゃたんでしょう。

ボンゴレの宝ともいえるボンゴレリング、

それさえも争いの種となるならば、

って壊したのにな。

それが俺らの平穏をさらに恐してしまったんですよ。

・・・俺、

ボンゴレを継ぐ資格、なかったんですかね。

だから、

せめて、俺の命と引き換えに恭弥さん、

貴方は生きてください。

・・・そして、

どうか泣きたいときは泣いてください。

本当は、

俺の胸で貴方を泣かせたかったんですけど、

もう、叶いませんから。

だから、

いっぱい泣いて、

いっぱい笑って、

幸せな未来、

過去からくる俺と勝ち取ってまた、

笑って下さい。

・・・どうか、死なないでください。

沢田 綱吉』



――ガサガサッ――



君は、いつも人のことばかりだね。

死ぬって、

わかってても僕や他の奴らのことばっかり。

僕は強いんだから泣かない、よ。

だから、早く戻ってきてよ。

過去から来る君は、

君であって君じゃない君。

・・・僕が負けるわけ無いんだから、

帰ってきたら覚悟、しなよ。

・・・いま、頬を伝ったのは涙、

じゃないんだからね。

でもね、

君が戻ってきたらご褒美に、

僕を抱き締めさせてあげるよ。

だから、ちゃんと、戻ってきなよ。



――END――




 

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