妄想の世界のお話

□・・・返事、して。
1ページ/1ページ


ねえ、君から僕に好きだと言ったんだよ?

・・・僕と共に生きて行きたいって。

それなのに、なんで・・・

君は、そんな小さな箱の中で眠ってるんだい?

・・・前に君、言ってたじゃないか。



『雲雀さんの気配なら俺、100m離れててもわかりますよ。』



って。

さすがに100mは無いと僕も思った、でも・・・

僕は、目の前に立ってるんだよ?

いつもなら、

扉あけたら、すぐに・・・キスしてたじゃないか。

なのに、僕がこんなに君の傍にたってるのに・・・。



「・・・名前、呼んでよ。」

「好き・・・って言ってよ。」

「僕に、笑いかけてよ・・・。」

「キス、して・・・ッ」

「・・・お願い、起きてッ‼」



・・・こんなにも僕がお願いしてるのに、

君は花なんかに埋もれて・・・寝てる。



「馬鹿じゃないのかい?」



・・・返事、しなよ。

いつもみたいに、



『馬鹿じゃないです。』



って答えてよ。

それで、

あのムカつくくらい様になってる余裕の顔、してよ。



「・・・愛してる。」



もう、伝えても、



『俺の方が、愛してる。』



って何回も繰り返した会話・・・成り立たないね。





    君ヲコンナニシタアイツ。

    君ト僕ヲ引キ裂イタアイツ。

    ・・・許サナイ。





――ガサガサッ――




「・・・恭弥君。」

「!?・・・六道。」

「憎しみはなにも与えてくれません。」

「煩い。」

「・・・彼を守れなくて、すみません。」

「もう、君とは話をしたくない。」

「・・・そう、ですか。・・・でわ失礼。」



――ガサガサッ――



何で、

みんな、綱吉が寝てるのに起こさないの?

・・・ちがう。

君は、死んでしまった。

じゃあ、

なんで、みんな平気な顔、してるの?

・・・知ってる。

みんな、ココロで泣いてる。



「・・・ッ、」



僕は、

今まで、泣いたことなんか、

君のことでしか、ない。

それで、いつも、君が、抱きしめてくれてた。

だから、泣きやめた。

・・・でも、

止めてくれる君はもういないから、

僕はどうやって泣きやめればいいのかわからない。



「・・・つな、よし・・・ッ」



――ふわっ――



「つな、よし・・・?」



なんだ、風・・・か。

君に抱きしめられた時の感覚に似てる。

なんだか、心地よくて・・・すべてを任せたくなるな。

気付いたら、涙は止まってた。

空は、きれいな大空をたたえてる。

もう、僕が涙を流す理由はない。

だから、これからも、ココロの中の君と歩いてこう。





    デモ、アイツハ許サナイ。

      僕ノ大切ナ人、

     奪ッタカクゴハ、

      デキテルカイ・・・?

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ