★夏の扉★
□君が好きなのは…
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「パンダ!!!パンダ!!!パンダっ!!!見えるか!!!?可愛いっ!!!めちゃくちゃ可愛いっ!!!」
「「本当に可愛いですね!!!」」
俺と野分が言った『可愛い』はもちろん上條さんの事…
そう、今、俺は上條さん&野分と動物園に来ている。
ここんとこ、地震やらなんやらで気分が落ち込んでいたが…
「うわっ、パンダが木から落ちたっ!!!…なんかトロい感じがまた良いよなっ!!!転がってるぞ!!!」
癒やし効果抜群だ…
「はい!!!コロコロしてる所も可愛いですよね♪あの、先輩、有り難うございました!!!一般の人が普段入れない所を特別に入れてもらえる様にしてくれて!!!」
「いいよいいよ♪飼育員に知り合いが居たからさ。それに上條さんも喜んでくれて良かった!!!」
「本当に有り難うございます!!!津森さん!!」
ま、眩しいっ!!!
今日の上條さんは普段刻まれている眉間のシワは全く無くニコニコと笑ってる
パンダが見れた嬉しさで俺への間違えたライバル心(野分にふざけてチョッカイ出してから警戒されまくり)が緩和されたようで素直に感謝を述べてくれた
上條さんの怒ってる姿にもトキメク様になってしまった俺が言うのもあれだが…
いつも、そうやって笑ってれば良いのになぁ
「ここのパンダ見たかったんだよ♪テレビで見てからずっと気になっててさ!!!」
上條さんがそう言うと野分はこっちをチラッと見て笑った
野分も俺も上條さんがテレビでパンダを見ていた事を知っている
ちょうど一週間前…
「野分〜♪今日、上條さん来るんだろ〜!?俺も会いたいな〜♪」
「先輩はヒロさんに変な事しようとするから来ちゃダメです!!!それにヒロさんは『俺に』荷物を届けに来てくれたんですっ!!!」
「うわ!!俺にって所、強調しやがった!!!野分のケチ!!!絶対付いてってやる〜!!!」
「先輩〜!!!」
野分にのしかかり上條さんが待ってる病院のラウンジに向かうと、そこに居たのは目を輝かせながらテレビを見ている上條さんの姿。
そして周りの患者さんやら看護師がみんな上條さんを見ている
当の本人は多くの視線には気づかないままテレビを見続けている…
「ヒロさん、何見てるんだろう…あまり周りの人の気を引く行動をされると心配になります………。あ、パンダ…。」
「パンダ?」
テレビに目を向けると最近日本に来たパンダが映っていた
そういえば、上條さんパンダ好きだったな…
「今度、ヒロさんと一緒に動物園行きたいなぁ♪」
「あ、俺、ここの動物園に知り合いがいるから、普通より近くでパンダ見れるかも…」
「え!!!?本当ですか!?あの…先輩、お願いです!!!ヒロさんに近くでパンダを見せてあげたいですっ…!!!」
「…う〜ん。ひとつ条件がある。」
「な、なんですか?」
「俺も一緒に行きたい♪俺も生パンダを近くで見た上條さんが見たいし〜。」
「え〜!!!2人でデートした…」
「上條さん喜ぶだろうな〜。近くで見れたら」
「…分かりました…。3人で行きましょう…。」
よっしゃあ〜♪
続きます♪