★夏の扉★
□小さい君に教えてあげる。
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これは……夢なのかな。
見たことがある景色。
でも、これは昔の景色。
今はもう無くなったはずの店がある。
タイムスリップ…?
俺は立ち止まって周りを見渡した。
近くにある街灯がつき始め、それを、ぼーっと見ていた俺にガンとぶつかって来たのは…
肩に音符が書いてある可愛いバックを掛けている男の子。
「あ、すみません!!!オレ、前見てなくてっ!!!」
顔を上げた彼を見て驚いた。
「ヒロさん!!!?」
か、可愛い!!!前に写真で見たヒロさんと見た目が一緒だ!!!
「…………なんで、名前知ってるんですか……?」
睨まれた。
不審者だと思われてるっぽい。
「えっと………」
良い言い訳が見付からないなぁ……
「………もしかして…宇宙人………」
「え!?」
「来んなっ!!!近寄るな!!!触んなっ!!!」
そんな三段活用みたいな…まだ指一本も触れてないのに。
「宇宙人じゃないです!!!それに不審者でもないです!!!俺は……ここの近所の草間園って所で働いてて……ヒ、ヒロキ君って子がいるんだよって園の子ども達に写真を見せてもらった事があるんです!!!それで……」
うう……我ながら下手な嘘をついてしまった。
続きます♪